黒ビール「ドラフトギネス(缶)」の味は?飲んだ感想
黒ビール「ドラフトギネス(缶)」をビアソムリエの私が実際に飲んでレビューします。味や風味、飲みやすさ、泡立ち、泡もちなど、詳しく説明します。
ギネスといえば「エクストラスタウト」ですが、今日の1杯はギネス「ドラフトギネス」です。
見た目はエクストラスタウトと変わらない気がしますが、大きな違いはあるのでしょうか?
ギネス「ドラフトギネス」基本情報
醸造所名:ギネス
原産国:アイルランド
アルコール度数: 4.5%
原材料:麦芽、ホップ、大麦
ビールスタイル:クラシック・アイリッシュスタイル・ドライスタウト
内容量: 330ml
参考価格: 267円
カロリー: 35kcal/100mlあたり
ギネス「ドラフトギネス」外観や風味・味
<ドラフトギネスの外観>
ドラフトギネスの色は見た目どおりのチョコレート色。
濃く淹れたアイスコーヒーのようです。
透明度はほぼありません。
ドラフトギネスの泡はとってもクリーミーで持ちが良いです。
密度が濃く本当にクリームのよう。泡にもほんのり茶色味があります。
ドラフトギネスの泡はとても簡単に作ることができます。
泡のヒミツはのちほど詳しく!
<飲む前の香り>
ローストモルトの香ばしさがしっかりありますが、ガツンとくるほどではありません。
苦味と甘みを感じます。
豆をローストしたようなコーヒー香も若干あります。
ホップの香りはほぼありません。
<飲んだ時の香り>
こちらもやっぱりローストモルトの香ばしさを感じます。
<ドラフトギネスの味>
温度が上がると苦味や甘みを感じます。
さらに温度が上がると酸味も少しわかります。
後味にたまり醤油のような発酵臭を感じました。
<飲みやすさ>
ドラフトギネスは炭酸も弱めでアルコール度数も低いのでとても飲みやすいです。
苦味や喉ごしをアピールしているビールを飲みなれている方にとってはドラフトギネスは薄いと感じるかもしれませんが、コーヒー好きさんだったらおいしくいただけると思います。
見た目は強烈ですが、飲み口はけっこうドライでサラッとしています。
<ドラフトギネスに合いそうな料理・おつまみ>
実は、ギネスのような黒ビールにはスイーツがよく合います!
ドラフトギネスの苦味がコーヒーみたいで、甘+苦の相性が良いんです。
今日はシュークリームと一緒にいただいてみました。
口中に広がるクリームの重めの甘さが、ドラフトギネスの苦味でサーッと喉に流れていきます。
それから、ドラフトギネスは鶏の照り焼きなどのおしょうゆを香ばしく焼くような料理にも合います。
★★★☆☆
ギネス「ドラフトギネス」飲んだ感想・レビュー
まず、ギネスのことを「なんだか飲みにくそう」「黒ビールってすっごく苦そう」と思っているなら、それはちょっと違うかも、と言いたい!
あの見た目のインパクトからなんとなくアクが強そうというか、限られた人しかおいしいと感じないのでは?というイメージがありますが、全くそんなことはありません。
風味の好みはありますが、ドラフトギネスのアルコール度数は4.5%とスーパードライよりも低いので、お酒があまり強くない方でもカーっと熱くなりにくいんです。
そして、女性に嬉しい低カロリー。
100mlあたりのカロリーはたったの35kcalです。
※その他のビールとカロリーを比較したい方は以下をご覧ください。
⇒代表的な缶ビールのカロリー一覧
味は、想像しているよりもサッパリです。
ビールっぽい苦味というよりもコーヒーのコクような苦味があります。
ドラフトギネスのことを「薄い」と言う人もいますが、エクストラスタウトと比較すると確かにさっぱりです。
わたしは薄いというよりも新鮮でスッキリという感じがしました。
ギネスの種類
ギネスってなんとなく1種類しかないような感じがしませんか?
だって、ギネスを置いてあるバーで「ギネスくださーい」って言ったら毎回同じものが出てくるし。
でも、ギネスはあくまでも醸造所の名前であって商品名ではありません。
ギネスの代名詞になっているのは「エクストラスタウト」という銘柄です。
バーで出てくるのもコレ。
国内の酒屋さんで手軽に購入できるギネスにはエクストラスタウトとドラフトギネスの2つがあります。
インターネットでは「フォーリンスタイル・スタウト」も購入することができます。
この3つの違いは
■エクストラスタウト
ギネスの代名詞。初めてギネスを飲むならコレ。こげパンのような濃い香ばしさがあります。
■ドラフトギネス
エクストラスタウトをスッキリ洗練させた感じ。エクストラスタウトよりも全体的にさっぱりまろやか。クリーミー。
■フォーリンスタイル・スタウト
アルコール7.5%。濃厚です。焦げ感がエクストラスタウト以上に強烈!初めてのギネスには不向きかも。
酒屋さんで購入するときは、ボトルが瓶なのがエクストラスタウト、缶がドラフトギネスです。よく見たら書いてあるのですが、正直わかりづらいです。
ドラフトギネス缶。おいしい泡の立て方
ドラフトギネスのポイント、クリーミーな泡の立て方をご紹介します。
超簡単です。
1.グラスをしっかり冷やします。
できればドラフトギネス330mlが全量入る大きめサイズを用意してください。
ドラフトギネスも3時間以上冷やしましょう。
2. グラスをテーブルに置いたままドラフトギネスを注ぎます。
グラスに入れば全量注いでください。
あえて勢いをつけなくても良いですが、そーっと静かに注がなくても大丈夫。
3. グラスの中で泡が滝のようにサーっと落ちていくはずなので、この様子を約2分楽しんでください。
4. 泡が落ち着いたら完成でーす。
汚れや油がついていない清潔なグラスとドラフトギネスをしっかり冷やしておけば、けっこう適当についでもクリーミーな泡ができます。
その理由は、缶の中に入っているフローティング・ウィジェットというボール状のカプセルにあります。
ドラフトギネス缶を振るとカラカラと音がするのですが、その正体がフローティング・ウィジェット。
フローティング・ウィジェットはギネスの大発明で、冷やしておけば誰が注いでもパブの味が再現できるように缶の中に入れられています。
フローティング・ウィジェットの仕組み
フローティング・ウィジェットの仕組みを簡単に説明します。
工場で缶に詰められてからわたしたちがプシュッと開栓するまでの間、ほんのちょっとだけビールがフローティング・ウィジェットの内部に入っている状態になっています。これは炭酸ガスによる圧の影響です。
開栓と同時に圧が元に戻りフローティング・ウィジェットからビールがシュッと噴き出します。これがあの滑らかな泡のヒミツ。
ギネスは、この仕組みを完成させるために膨大な費用を費やしたのですが、世界中で爆発的な人気を得たのであっという間にその費用と時間を回収できたそうですよ。
ギネスの泡が落ちていく様子のことを「カスケードショー」と言います。
カスケードは「小さい滝」のこと。オシャレ♪
フローティング・ウィジェットがある缶入りドラフトギネスなら、自分で注いでもカスケードショーを楽しむことができます。
わたしたちがドラフトギネスを楽しむ際に気をつけることは、たったひとつだけ。グラスとドラフトギネスをよーく冷やしておくことです。
もし、この注ぎ方を忘れてしまっても缶に記載してあるので大丈夫!
このギネス推奨の注ぎ方がいちばんおいしく飲む方法なので、ドラフトギネスを飲むときはぜひやってみてくださいね。
冷蔵庫に1本入れておきたいドラフトギネス
ドラフトギネスは、見た目が独特なことからなんとなく手を出しづらい印象があるかもしれませんが、1本飲み終わる間に「アレ?おいしいかも」と思ったら、冷蔵庫に1本ストックしておきたくなるはず!
他に変わるものがない独自のスタイルなのも魅力的。自宅で飲んでも変わらないおいしさのドラフトギネスは、ある意味世界一優秀なビールなのかも。