ビールの主原料「ホップ」とは?役割は?
ビールの主原料の1つである「ホップ」とは?その「ホップ」の役割りは?ここではビールの味や風味を左右する「ホップ」について説明したいと思います。
ビールの主原料のひとつであるホップは、アサ科つる性多年草の植物です。
サッポロ「麦とホップ」、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ〈初摘みホップ〉」など、商品名にもなるくらいホップはビール作りに欠かせない原料です。
では、ホップはビール作りにおいてどんな働きをしているのでしょうか?
※もうひとつのビールの重要な主原料である「モルト」については以下をご覧ください。
雌株しか使われないホップ
ホップは雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)に分かれている植物で、ビールの醸造に使われるのは雌株の花の部分です。
これを球花(きゅうか)と言います。
受精してしまうとホップ本来の苦味や香りが変化してしまうので、ビール用のホップ畑では雄株を取り除き受精させないようにしています。
ホップの重要成分は「ルプリン」
ビールの苦さの決め手ともなるホップですが、苦さの元になっているのはルプリンという成分です。
ルプリンは苞(ほう)の付け根にあり、苦さや香りなどの元となる成分を含んでいます。
ホップのその他の働き
ホップの成分には、泡持ちを良くする作用や殺菌作用もあります。
ホップに含まれているポリフェノールは、余分なたんぱく質と結合して沈殿します。
ビールの透き通ったあの色もホップの働きのおかげなのです。
ホップの特徴とビールのスタイル
ホップの種類によってビールのスタイルが変わります。
ここでは、代表的な3つの種類とビアスタイルをご紹介します。
ファインアロマホップ
穏やかでやわらかい香り。製品としてビールになってもこの穏やかな香りが変わらないことから、品質の高いホップとされています。
■ファインアロマホップの種類
ザーツ、テトナング
■ファインアロマホップを使用したスタイル
ピルスナー、シュバルツ、ジャーマンラガー、ベルジャンホワイト、アメリカン・ペールエールなど
アロマホップ
ファインアロマホップと比較すると強い香り。風味にしっかりとした落ち着きがあり、柑橘系のアロマやスパイシーな香りを感じるものもあります。
■アロマホップの種類
ハラタウトラディション、カスケード、ペルレ、ケントゴールディング
■アロマホップホップを使用したスタイル
ボック、ペールエール、ヴァイツェン、IPAなど
ビターホップ
その名のとおり苦味が強く、深みのある香り。
■ビターホップの種類
マグナム、コロンバス、ナゲット、ヘラクレスなど
■ビターホップを使用したスタイル
エール系、バーレイワイン、スタウトなど
初摘みホップビールを見逃すな!
ホップの収穫は7月下旬から8月中旬にかけて行われます。
そして、初摘みホップのビールとなってわたしたちが飲めるのは秋です。
初摘みホップと乾燥や冷凍保存されたホップでそんなに違うの?と思うかもしれませんが、飲んだ人によると・・・
・香りがちがう
・苦味、うまみ、甘みなど全てが濃い!
・開栓したときに漂ってきた香りがフレッシュ
・ワインで言うとボージョレ・ヌーボーのような若さ
などの違いを感じているようです。
わたしも「キリン一番搾り とれたてホップ生ビール」をいただきましたが、確かに香りが違いました。
通年販売しているキリン一番搾りと比較すると、青々とした若い芽のようなフレッシュさがありましたよ!
今度ビールを選ぶときは、ぜひホップにも注目してみてください。
楽しみ方の幅が広がること間違いなしですよ!