石垣島の地ビール「ヴァイツェン」レビュー
夏の終わりに日本最南端のビール工場から、石垣島地ビール 「ヴァイツェン」のレビューをお届けします。
フルーティな香りと甘みが特徴のヘーフェヴァイツェン・・・を想像していたのですが、予想とはちょっと違う結果に!
南国石垣島で作られるヴァイツェンの風味はいかがなものか?
石垣島ビール株式会社「ヴァイツェン」の基本情報
醸造所名:石垣島ビール株式会社
原産国:日本 沖縄県石垣島
アルコール度数:5.0%
原材料:麦芽、ホップ、酵母
ビールスタイル:デュンケルヴァイツェン
内容量:330ml
カロリー:記載なし
参考価格:540円
石垣島ビール株式会社 「ヴァイツェン」の味や風味
<外観>
デュンケルヴァイツェンらしく白濁のあるやさしいブラウン。濁りはかなり強く、ボトルを光に軽く透かすだけで澱(おり)がわかりました。
細かい泡がしっかり立ちますが、消えるのも早いです。
一般的なヴァイツェンのようなモコモコの泡ができるのかな?と思ったのですが、意外とシンプルな泡立ちでした。
<飲む前の香り>
モルトの甘い香りとバナナっぽいもったりとした香りを感じました。とてもフルーティです。
<飲んだ時の香り>
バナナ香の中にスパイシーな刺激を感じます。
<ヴァイツェンの味>
炭酸がかなり控え目で小麦の優しい甘さがあります。
思っていたよりも酸味がありました。
フルーティで苦味も穏やか、後味もかなりさっぱりしています。
<ヴァイツェンの飲みやすさ>
すごく飲みやすいです!
ビールのキレや苦味が好きな方はちょっと物足りないと思うかもしれませんが、飲みやすさはかなりのものです。
フルーティな感じがおいしくてどんどん飲みたくなりますが、アルコール度数は一般的なピルスナーと同じくらいなので飲み方にご注意を!
<ヴァイツェンに合いそうな料理>
酸味をしっかり感じるビールなので、さっぱりとお酢の効いた料理が良さそうです。
レモンやパセリなどの香料が入っているプリッとした白ソーセージも相性が良いと思います。
★★★☆☆
石垣島ビール株式会社 「ヴァイツェン」のレビュー
石垣島ビール「ヴァイツェン」のスタイルはドゥンケルヴァイツェンです。ヴァイツェンよりも小麦の甘さをやや強く感じました。
酸味も特徴的です。果物の酸味というよりは、発酵したパン生地からフワッと香るような複雑な酸味です。この味わいは男性よりも女性が好きな感じだと思います。
石垣島の海を眺めながら飲むというシチュエーションを考えると、少し重いかなーという感じですが、オリオンビールなどさっぱりしたビールに飽きたときにはかなり良さそうです。
ボトルキャップは栓抜きが要らない仕様です。
ドゥンケルヴァイツェンはぜひグラスで飲みたいビールですが、観光地でフラッと立ち寄ったお店で購入して、海を眺めながらボトルから直接飲むのもおいしいのではないでしょうか。
雰囲気がこのビールをさらにおいしくしてくれるはずです!
石垣島ビール ヴァイツェンはちょっぴり珍しいビール?
石垣島ビール ヴァイツェンのスタイルはデュンケルヴァイツェンです。
ヴァイツェンは「小麦」の意味で、通常は白濁した小麦色なのですが、石垣島ビール ヴァイツェンはご覧の通りややブラウンが強い色合いです。
デュンケルは「暗い」などの意味で、この濃い色はローストしたモルトの色です。
デュンケルのブラウンとヴァイツェンの白濁した小麦色の両方を持つのがデュンケルヴァイツェンで、石垣島ビール ヴァイツェンはこれにあたります。
「ヴァイツェン」というネーミングと、購入サイトにヘーフェヴァイツェンの記載があったため、小麦色のヴァイツェンを想像していたので、濃い小麦色にちょっとビックリしてしまいました!
石垣島ビールヴァイツェンの賞味期限は60日!?
石垣島ビール ヴァイツェンの賞味期限は冷蔵保存で60日となっています。
なぜこんなに短いのかというと、ボトルの中に生きたままのビール酵母がいることと、無添加なため。
ビールは保存するための飲み物ではありませんが、それでも60日という期間はとても短いです。
お店で買ってきたビールを数日のうちに飲むならあまり賞味期限は気にならないかと思いますが、ビールはやっぱり出荷されたてのものの方がおいしいと思います。
置けばおくほど劣化して雑味が増したり、あまり好ましくない苦味が増える感じがします。
賞味期限のうちに飲みきるのは当然ですが、新鮮なうちに飲むこともビールをおいしく味わうポイントですね。
今回飲んだ石垣島ビール ヴァイツェンは、あと10日ほどで賞味期限というギリギリの状態でした。
酸味を強く感じたのはそのためかもしれません。
もう少し早く飲んでいたら、恐らく酸味はもっと穏やかだったと思います。
ヘーフェアヴィツェン?ドゥンケルヴァイツェン?
石垣島ビール ヴァイツェンを調べてみると白ビール(ヘーフェヴァイツェン)と記載されていることもあります。
今回試してみたヴァイツェンと同じものかどうかわかりませんが、石垣島ビールさんの製品には「白ビール」という製品もあったようです。
そして、公式販売サイトには「亜熱帯ヴァイツェン」との記載が・・・。
少々混乱してしまいそうですが、現在販売しているヴァイツェンはわたしが飲んでみたヴァイツェン(デュンケルヴァイツェン)のみのようです。
ヴァイツェンに共通するコク
酵母無ろ過のビールには、複雑なおいしさがあります。
このおいしさ、決して「なんとなく」じゃないんですよ。
麦汁に浸された酵母は、糖分やミネラル、そしてアミノ酸などのビールのあじわいの源を吸収しながら増えていきます。
ビールのおいしさを作り出す酵母自体にもうまみがギュッと詰まっているのです。
その酵母をろ過せずに残しておくことで、ヴァイツェン特有の凝縮されたうまみが生まれてきます。
ヴァイツェンの楽しみ方
ヴァイツェンはホップの苦味がとても少ないので、苦味の強いビールは飲めないけどこれなら飲める!という方が多いスタイルでもあります。
日本において「ビールが苦手=ピルスナーが苦手」と言い換えることができると思います。
ヴァイツェンはピルスナーのようにホップの風味が際立っているビールではありません。
とってもフルーティでバナナのような芳醇な風味や、青りんごや洋ナシのような甘さの中にも瑞々しさを伴う風味がするものもあります。
やや高めの温度で発酵させるとバナナっぽい香りが強いビールになり、低温で発酵させると青りんごやクローブのような香りが立つと言われています。
ヴァイツェンを飲むと、小麦が主食であることやビールが「液体のパン」と呼ばれていたことが理解できる気がします。
ヴァイツェンをいただくときは、喉ごしやキレだけではなく、この香りや濃厚な風味も楽しみましょう。
ビアバーのマスターも、ビールが苦手な方(特に女性)には1度はヴァイツェンを紹介してみるとおっしゃっていました。
不思議なことに、ヴァイツェンが好きになったらいつの間にかピルスナーも好きになっている方もいらっしゃるそうです!