コエドブルワリー伽羅(Kyara) コエドビールレビュー
今回レビューするのはコエドビールです。関東は埼玉県を拠点にしながら、世界に向けて自社ビールを発信しているコエドブルワリーさんの「コエドブルワリー・伽羅(Kyara)」です。
このコエドビールにはいろんな意味で驚かされました!
コエドブルワリー 「コエドブルワリー・伽羅(Kyara)」の基本情報
醸造所名:コエドブルワリー
原産国:日本 埼玉県
アルコール度数:5.5%
原材料:麦芽、ホップ
ビールスタイル:インディア・ペール・ラガー(IPL)
内容量:350ml
カロリー:記載なし
参考価格:298円
「コエドブルワリー・伽羅(Kyara)」香り・味・飲みやすさなど
<外観>
伽羅色は暗めの黄褐色に茶色をプラスしたような色です。
こんな色です↓
コエドブルワリー・伽羅はもう少し黄色が強いですね。
しっかり透明感があります。
泡立ちはこんもりと盛り上がる感じではなく上品。
<飲む前の香り>
これぞアロマホップ!ホップの爽やかな香りが生きてます!
柑橘類と葡萄のようなフルーツの香りも感じます。
<飲んだ時の香り>
最初に思ったのは白葡萄のみずみずしさ!
それから、ほんの少し柑橘類の苦味を感じます。
<コエドブルワリー・伽羅(Kyara)の味>
ひとことで言うと、「素晴らしい!」です。
グレープフルーツの白いところのような苦味と渋みが冴えてます。
そしてモルトのウマさが凝縮されています。
甘さは少なく全体的にスッキリしていてキレが良いとも言えるのですが、香りの残り方が素晴らしく余韻も楽しめます。
<コエドブルワリー・伽羅(Kyara)の飲みやすさ>
ホップの苦味がお好みの方には飲みやすいと思います。
香りにつられてついつい飲んでしまうのですが、若干アルコールのクセを感じます。
爽快感はありますがキレだけに頼らずしっかり作ってあるビールなので、満足度が高いです。
<コエドブルワリー・伽羅(Kyara)に合いそうな料理>
甘いものと相性が良いビールもあるので、いただきものの新宿高野マカロンと合わせてみたところ見事失敗。
マカロンのココナッツ風味とコエド伽羅のホップ香がぶつかってしまいました。
コエド伽羅は香りを楽しみたいビールなので、あまり個性が強い食事には向いていないもしれません。
白身魚のソテーなどは良さそうです。
逆に、香りが際立っている料理に負けない強さがあるので鶏肉の香草焼きなどもいいですね。
★★★★★
コエドブルワリー 「コエドブルワリー・伽羅(Kyara)」のレビュー
伽羅を飲んでみてまず思ったことは
「他のコエドビールも飲んでみたい!」
でした。
缶の色合いから濃いブラウンを想像していましたが、思っていたよりも明るい色で、夏でも重たくない見た目です。
むしろ柑橘類を思わせる爽やかな香りとパワフルな飲みごたえは、暑い時期にこそ良さそう。
アルコール度数も少々高めなので、この1本だけでも満足できそうです。
ただこのアルコール感を苦手と感じる方もいらっしゃると思います。
味の奥行きと一緒にアルコールも広がっていく感じがとてもおいしいのですが、個人的にはたくさん飲めるビールではありませんでした。
しかしながら、ここまで深みがあるのに喉に流したら波が引くようにサーッと消えていく後味は素晴らしい!
丁寧な作りを感じます。
コエドブルワリーさんでは、日本の色の名前をつけた5種類のコエドビールを製造しています。
どれかひとつでもいただくと、まちがいなく残りの4種類のコエドビールを試してみたくなるはずです。
特に伽羅はピルスナー慣れしている方が飲んでも物足りなさが無いので、口に合う人が多そうです。
こんな香りのビールもあったんだ!と発見になると思います。
コエドブルワリー・伽羅は普段飲みできるクラフトビール
コエド・伽羅は、大変良い意味でとってもコスパの良いビールだと思います。
この価格でここまでホップの香りと苦味が楽しめるビールがあることにかなり驚かされました。
そして、6種類もブレンドしてあるモルトの味わい。
原料にもこだわりがあるのですが、低温発酵で長期熟成させるなど製法にも様々な工夫が施されています。
このクオリティの高さで参考価格298円は、いち消費者としてもありがたい!
ホップとモルト、それぞれの風味や香りが極限まで引き出されているコエド・伽羅は、素材のおいしさを感じることができるビールとも言えます。
おいしいビールは本当にたくさんありますが、ここまで豊かな風味とキレの良さが共存しているビールは珍しいかもしれません。
ぜひ、たくさんの日本人に味わっていただきたいです。
コエドブルワリー・伽羅 ワールドビアカップ2014で銀賞受賞!
コエドブルワリー・伽羅は、2014年にアメリカコロラド州で開催されたワールドビアカップ2014でアメリカンスタイル アンバーラガー部門のシルバーアワードを受賞しています。
ワールドビアカップは、その名のとおりビール界のオリンピックのようなもので、世界一を決める戦いです。
世界規模の戦いで日本のビールが賞をもらえたということもとても素晴らしいですが、同じくらい素晴らしいのはこの舞台に参戦したということではないでしょうか。
そんな権威ある場に自信作を出展するコエドブルワリーさんの姿勢そのものが賞賛に値します。
ぜひこれからも頑張っていただきたい!
なんと、コエドブルワリーさんの5つのビールは、全ての種類がいずれかのコンテストで賞を取っています。
風味の違いを比較してみるのも楽しそうですね!
ドイツビール職人の技と心を受け継いでいるコエドブルワリー
ビール製造を始めるにあたって、1997年にコエドブルワリーの職人さん方はドイツからブルワーを招き、5年間修行したのだそうです。
97年といえば酒税法が改定されて、地ビール文化が始まってからまだたったの3年です。意識の高さが伺えるのではないでしょうか。
地ビールを「おみやげ物のビール」と考えるのではなく、世界に通用するビールにまで育て上げたコエドブルワリーさんの取り組みは、クラフトビール文化の礎となったとも言えます。
コエドブルワリー 「コエドブルワリー・伽羅(Kyara)」の超個人的感想
コエドブルワリー・伽羅は全体のバランスが大変高いレベルでまとまっていて、それぞれがそれぞれの仕事をしっかりこなすように作られています。
ホップだけが突出しているわけではありませんが、飲めば飲むほどホップの不思議さについて改めて考えさせられます。
ホッピーなビールを初めて飲んだ頃は「う~んニガイッ!」で終わっていたのに、今ではそれもおいしさと感じます。
動物にとって「苦味」や「酸味」はもともと危険信号でもありました。
「苦いけど、食べても毒じゃないんだ!」とわかったものを味わいとして楽しむようになったのは、進化の過程において経験や知識を積んだからだと言われています。
ホップの苦味に中毒性はありませんが、ホップ感が好きな方がよりホッピーなビールを求めてダブルIPAなどを試すのはとても面白い現象だと思います。
ビールのこういった楽しみ方も、後の進化に影響するのかもしれませんね!
1本のビールが縁となって、日本にもこんなにしっかりとおいしいクラフトビールを作っているブルワリーがあるということを知ると、誇らしい気持ちになります。
コエドブルワリーは、今後もまちがいなく日本を代表するビールメーカーとなっていくことでしょう!