ビールのプリン体が酸値を上げて痛風の引き金に?
痛風予防を考えるならビールを控えるべき、そんな噂を耳にしたことがある方も多いでしょう。
ビールにはプリン体が多く含まれると言われていて、尿酸値をあげ、痛風の引き金になるという考えが根底です。
ただ、晩酌は欠かせない人にとって完全にビールをやめるのはかなりの苦痛が伴うはず。
仕事終わりの一杯がなくなる、考えただけでも寂しくなってしまいます。
ここでは、ビールのプリン体含有量について見るとともに、健康リスクが少ない楽しみ方のアイディアを紹介します。
正しい知識を持てば、健康的にビールを楽しむ事ができるはず。
40代にさしかかり、健康意識を持ち始めたサラリーマン・OLのあなた、ぜひ目を通しておきましょう。
プリン体とは?
そもそも、プリン体とは何か実は知らない方も多いでしょう。ビールとの関係を見る前に、プリン体に関する基礎知識の復習です。
プリン体とは、肉・魚・穀物などあらゆる食物に含まれる旨味成分。核酸の中にあるため、細胞分裂がさかんな食品ほど含有量が多くなります。
身体を害するイメージが先行しますが、身体がエネルギーを産み出して、生きていくには不可欠なもの。
一定量は、もともと私たちの身体の中に存在します。
食物から接種された分は、活動を終えると尿酸に変わり、尿と一緒に排出されるはず。
ところが、過剰な量を接種すると、全てを排出できずに体内に蓄積します。
尿酸値が限界量を超えると結晶化、この結晶に対する炎症反応が高尿酸結晶です。放置すると、関節に痛みが出たり痛風発作を起こしたりします。
缶ビール1本のプリン体含有量は約17mg
プリン体をとりすぎると痛風リスクが高まるメカニズム、ご理解頂けたかと思います。
ここで本題、ビールに含まれるプリン体含有量ですが、メーカーにより異なります。
平均的な数値を出すと350ml缶1本でプリン体含有量は約17mg程度。参考までに、他のアルコールとの比較です。
アルコール飲料に含まれるプリン体目安 ※350ml換算
ワイン 約1.4mg
ウイスキー 約3.5mg
焼酎25% 0mg
確かにアルコール類の中では、ビールのプリン体含有量は飛び抜けて高い数値であることが分かります。
ちなみに、サッポロ黒ラベル・キリンラガー・アサヒスーパードライは、ビールの中でもトップクラスにプリン体含有量が多い銘柄。
サッポロ黒ラベル1本には、約25mgのプリン体が入っているとされています。
ビールのプリン体だけが敵視される理由
アルコールの中ではビールのプリン体含有量は高めとは言え、一部の食品と比較すれば随分低い水準です。
たとえば、某財団が発表している注意食材の含有量を見てみましょう。
プリン体が多い食材の例と含有量
ニボシ 100gあたり約746mg
かつお節 100gあたり約493mg
鶏レバー 100gあたり約312.2mg
カツオ 100gあたり約211.4mg
マイワシ100gあたり約210mg
いかがでしょうか。
ビールよりもよっぽど高数値で、危険なように感じるはずです。
他の食材よりもずっと低水準なのに、どうしてビールのプリン体だけが敵視されるのか。理由は、アルコールと尿酸値の関係にあります。
お酒を毎日飲んでいる人は、痛風になるリスクがあがると言われます。
ゆえに、お酒の中でプリン体が多いビールがやり玉にあげられるという理屈です。
ビールが悪というより、プリン体のとり過ぎとアルコールの常飲が問題と考えるのが正解。
鰹を肴に日本酒を一杯、鶏レバーとワインのセットなど、プリン体が多い食品を使ったつまみと他のお酒の組み合せでも、同様のリスクがあります。
ビール好きの方が健康に配慮するなら、休肝日を作りつつお酒のお供の食品を工夫する努力が賢明でしょう。
プリン体ゼロビールは痛風予防に有効か?
それでもやっぱりビールの噂が気になるからと、プリン体ゼロビールを検討する方もいるでしょう。
飲んだことがある方はお気づきでしょうが、やや物足りない印象を持つはずです。ビール愛好家の中には、こんなのビールじゃないと感じる人も。
のどごし・キレがない・味が薄いなどと、持つイメージは様々です。
味や香りに差が出るのは、旨味の元になるプリン体をカットしているから。
人工甘味料で味を調整している商品もありますが、どうしても自然の味には劣るもの。添加物を加えることによる、肝臓ダメージも懸念されます。
飲んだ時の満足度が低いと、自然と飲む量が増えてしまいます。
結果的にアルコール接種頻繁が上がるなら、かえって身体にマイナス。
痛風リスクも高まります。
上記しているように、ビールが悪というわけではなく、アルコールとプリン体の相乗作用が問題です。
プリン体の少ない食事を摂りつつ、ビールを適量楽しむ分には、過度に心配する必要はありません。
夕食のビールは2日に1回・飲み会の翌日はお酒を控えるなど、自分の中でルールを決めて上手にコントロールするといいでしょう。
年末や年度区切り・お花見や社員旅行。
会社の集まりが多い時期には、自然とビール摂取量と頻度があがります。
飲み過ぎたと感じたら、リセットする日を作ること。
プリン体摂取量をセーブしながら、ビールのある生活を楽しみましょう。