レーベンブロイ・オリギナル(Löwenbräu Original)の口コミ・評価
「World Beer Cup 2016」で金賞受賞!伝統と実力を兼ね備えたビール「レーベンブロイ・オリギナル(Löwenbräu Original)」を飲んだ感想を書きます。
レーベンブロイ・オリギナル(Löwenbräu Original)の基本情報
醸造所名:レーベンブロイ株式会社(Löwenbräu AG)
原産国:ドイツ
アルコール度数:5.2%
原材料:水、大麦麦芽、ホップ、ホップ抽出物
ビールスタイル:ヘレス(ミュンヘナーラガー)
内容量:500ml
カロリー:記載なし
参考価格:0.93ユーロ(日本円で120円程度)
レーベンブロイの味や風味
<外観>
ピルスナーと比べるとやや濃い黄金色です。「Löwenbräu(獅子の醸造所)」という名前のような、豊かな深みある色だなと思っています。濁りはなくクリア。泡はあまり立ちません。色はすっきりとした白です。ドイツのピルスナーもかなり泡切れがよいのですが、ミュンヘンのヘレスはさらにさっぱりした泡切れです。
<飲む前の香り>
スパイシーなホップ香が少し、そして甘い麦の香りがします。麦を生かしているのがミュンヘンのヘレスの特徴とも言えますね。
<飲んだ時の香り>
飲んだ時もホップ香に比べて麦の甘い香りの方が強いです。日本のラガービールとの大きな違いで、レーベンブロイを飲むと「ドイツビールを飲んでるなぁ」と思う人も多いのではないでしょうか。
<レーベンブロイの味>
香りを裏切らず、麦のどっしりとした味がします。ホップ香はやや弱めとはいえ、ヴァイツェンビアなどに比べるとしっかりと効いていて、さっぱりとした喉越しです。あっさり喉越しのピルスナーとどっしりとした麦の甘みが味わえるヴァイツェンビアのいいとこどりとも言えます。
ミュンヘンではビールを頼むと500ミリリットルのグラスで提供されるのが当たり前で、泡が切れてからも美味しく飲み続けることができるのが重要なんですよね。なので、ピルスナーのようにキンキンに冷やして短時間でぐびぐび飲むというよりは、ややのんびりと飲む用に味も調整されているようです。
炭酸も弱め。日本のラガービールは炭酸が強くて苦手だという人ならかなり飲みやすいでしょう。アルコール度数は5.2パーセントとピルスナーに比べるとやや強めです。ヴァイツェンビアぐらいですかね。
<レーベンブロイの飲みやすさ>
炭酸が弱く、麦の甘みが強いのでドイツビール独特の味わいがあります。ミュンヘンのヘレスの中ではかなり飲みやすい方ですが、日本のラガービールに慣れている人だと少し飲みにくいかも。しかし一度はまってしまうと、ドイツビールの虜になること必至です。わたしも日本にいるころからよく飲んでいました。日本で飲むなら冷蔵庫で冷やしてから飲むと甘みがやや控えめになりますよ。
<レーベンブロイに合いそうな料理>
麦の甘みを生かすならやはり肉料理ですね。レーベンブロイの生産地、ミュンヘンの名物料理は豚のすね肉を焼いたシュバイネ・ハクセです。ちなみに北ドイツのベルリンに行くと同じ豚のすね肉でもアイスバインという煮込み料理になります。もちろんプレッツェルとの相性も抜群。日本料理なら愛知名物、手羽先の唐揚げなんていいですね。甘辛いタレがレーベンブロイにぴったり!
★★★★★(星5つ)
レーベンブロイのレビュー
レーベンブロイは飲んだことがあるという人も多いのではないでしょうか。しかし、レーベンブロイと一口に言っても違いがあるってご存知でしたか?
日本で一番よく目にするのはアサヒビールがライセンス生産している「レーベンブロイ・オールモルト」だと思います。え?と思った方はぜひラベルの商品名のところを確認してみてください。少し違うでしょ?
一方、ドイツのレーベンブロイは「レーベンブロイ・オリギナル(ドイツ語読み)」と書かれています。
これにもちょっとした事情がありました。アメリカでは日本と同じようにミラー社という会社がレーベンブロイをライセンス生産しています。
しかし現地ナイズするためなのかコスト削減のためなのかはさだかではありませんが、原材料にとうもろこしを利用したことから特徴的な麦の味わいが激減。
「ビールは水・ホップ・麦のみで作る」とするビール純粋令に則ったドイツビールとはかなり味が変わってしまったのだそうです。
そこでドイツビール愛好家のためにドイツのレーベンブロイを「レーベンブロイ・オリギナル」として輸出。味の異なるミラー社産のレーベンブロイは表記こそ「Löwenbräu」となっていますが、呼ぶときにはアメリカ読みで「ローワンブラウ」ということが多いのだとか。
日本にも外国産ビールとしてミラー社の「ローワンブラウ」が輸入されることもあるようなので(いまは少なくなったようですが)、名前や生産国などをチェックしてみてください。
ちなみにアサヒビールが生産するレーベンブロイも味が異なります。アサヒビール産のレーベンブロイはドイツのビール純粋令に基づいた生産方法ですが、水が変わるとどうしても味が変わってしまうんですよね。
わたしも飲み比べたことがありますが、やはりアサヒビール産のレーベンブロイはドイツ産のものに比べるとあっさりしてるなぁと思いました。
ただ日本の気候にはアサヒビール産のレーベンブロイの方があってると思うんですけどね。キンキンに冷やしてぐびぐび飲むなら、日本産ビールの方が美味しい気がします。
ドイツ人の知人・友人たちに聞いても「日本のラガービールは本当に美味しい!」と大絶賛で、お土産に買う人もいるほどですから、ドイツ産レーベンブロイが手に入ったなら、ぜひアサヒビール産レーベンブロイと飲み比べてみてください。
レーベンブロイ醸造所(レーベンブロイ・ブラウライ)について
レーベンブロイはビール王国ミュンヘンの中でも言わずと知れた老舗中の老舗。長らく創業は1383年とされてきましたが、どうやらこれは間違いだと分かったようで、現在では1524年、Löwengrubに建てられた醸造所が起源だとされています。
それでも十分歴史がありますね。「Löwenbräu」という名前が初めて登場するのは1746年。ミュンヘンのビール税リストに名前が載っているそうです。
ライオンが入った特長的なトレードマークも17世紀ごろから使用されていました。1818年に醸造家であるGeorg Breyがレーベンブロイ醸造所を購入。醸造技術が飛躍的に進歩し、ミュンヘンでもトップクラスの醸造所に数えられるようになりました。
そんなレーベンブロイ醸造所ですから、もちろん本場ミュンヘンのオクトーバーフェストにも大きなテントを構えています。いつも人気で予約必須。大変な賑わいだと言います。
こちらは一昨年、デュッセルドルフで開催されたオクトーバーフェストで飲んだレーベンブロイのオクトーバーフェストビアです。
「World Beer Cup 2016」で金賞受賞!
そんな伝統あるレーベンブロイですが、決して名前だけの醸造所ではありません。昨年2016年にアメリカ・コロラド州デンバーで行われた「World Beer Cup」では、並みいる競争者を押さえ、ミュンヘナー・スタイル・ヘレス部門で見事金賞を受賞!
「そりゃミュンヘンのビールなんだからミュンヘンの醸造所が金賞を取るでしょ?」と言われそうですが、いやいやすごいんですよ。「World Beer Cup」は2年に一回開催される世界最大のビールコンテストで、55か国から1907醸造所が参加し、6596種類のビールがエントリーしています。
ミュンヘナー・スタイル・ヘレス部門だけでも76種のビールがエントリー。当然、他のミュンヘナーラガーを製造するドイツの醸造所も多数参加した中での金賞なのです。
・「Löwenbräu Original wird mit Gold prämiert」(レーベンブロイ・オリギナル金賞受賞)
・World Beer Cup公式サイト
伝統・実力ともに申し分ないレーベンブロイ。ドイツビールの良さをしっかりと味わえるビールです。スーパーや酒屋さんでも比較的手に入りやすく、ドラフトで飲める居酒屋さんなどもあるので、ぜひ楽しんでくださいね。