銀座ビールバー「麦酒屋るぷりん」に行ってきた
外国人観光客の注目を集めている銀座は、三越や松屋、プランタン銀座、和光などのデパートやアルマーニ、シャネル、ディオール、コーチなどといったブランドショップが立ち並ぶ華やかなお買いもの天国。
東銀座の歌舞伎座や新橋の浜離宮恩賜庭園も徒歩圏内で、落ち着いた雰囲気の中でお買い物の他にもいろいろと楽しめる街です。
今日は銀座の三越デパート近くのビアバー「麦酒屋 るぷりん」へお邪魔しました。お店の雰囲気や飲んだビール、お料理、デザートのかき氷などについてレポートします。
「麦酒屋るぷりん」とは
「麦酒屋 るぷりん」は、オーナーの西塚晃久さんが修行中に長野でクラフトビールを作る同年代のビール職人に出会ったことがきっかけで2012年6月に始められた店だそうです。
日本人によるビール、ワイン、有機野菜などを楽しんでもらいたいという思いが、メニューを見てもよくわかります。
料理には国産の有機野菜を使っています。調味料も国産にこだわっているのだとか。
国産樽生クラフトビール6種、国産ワイン、国産ウイスキーを常時取り揃えています。
クラフトビールは常時入れ替えがありますが、オーナーがご自身で美味しいと思ったビールを厳選して置いているのだそうです。
ちなみにお店の名前「るぷりん」とはホップに含まれる苦み、香りを表す言葉から名づけられたのだそうです。
「麦酒屋るぷりん」への行き方
東京メトロ銀座駅からはB3出口が最寄りの出口となります。
三越デパート前の晴海通り沿いを、三越を背にして歩き、クリスチャンディオールとアルマーニのお店の間の道を左折し、まっすぐ進むと右側にあります。
看板は「る」の字しかないので、一見わかりにくいですが、独特の味がありますね。
お店は写真のビルの3階にあります。下に写っている黒板がお店の看板です。
「麦酒屋るぷりん」はかき氷でも有名
看板には「当店はかき氷屋ではございません。」という注意書きがあります。
そう、「麦酒屋るぷりん」はかき氷愛好家の間でも有名なお店なのです。でも、「麦酒屋るぷりん」ではかき氷だけ注文するのはNGとのこと。あくまでもお酒を楽しんだ後の「酔いざまし」として楽しんでほしいそうです。
「麦酒屋るぷりん」店内の雰囲気
店内ではコンクリートの壁に木目調でアンティークなテーブルや椅子が配置されています。
置かれている小物までこだわりが感じられ、シンプルでカフェのような雰囲気のお洒落な空間です。女性でも気軽に来られるような雰囲気を目指した店づくりをしたのだそうです。
4席のテーブル2つ、カウンター10席のこぢんまりとした空間。
1週間前に金曜日の予約をしようとしたのですが、満席で予約できず。日曜日のカウンター席なら空いているということで、何とか予約できたのです。
お店にお邪魔している間も、ほぼ満席状態で、予約なしで来て断わられていた方もいました。ということで、特にテーブル席は予約必須です。
厨房もカウンターから見えますが、とても小さい厨房です。
小さな厨房ですが、お料理はガッツリした肉料理から軽くつまめるものまでバリエーション豊富に取り揃えられています。
シェフが一人で調理しているので、メニューに書いてある料理には頭に音符が書いてあり、時間がかかる料理とかからない料理がわかるようになっています。
お客さんの年代は40代中心。銀座の土地柄もあって落ち着いた雰囲気です。
「麦酒屋るぷりん」でオーダーしたもの
クラフトビールの値段は一律「並盛り900円、大盛り1,500円、おためし小盛り700円」となっています。
南信州ビール アルプスヴァイツェン(長野) 900円
ヴァイツェンとは、ドイツ語で「小麦」の意味で、小麦麦芽を50%以上使用しているビールです。「白ビール」のうちのひとつですが、その中でも香りが強いビールと言われています。このビールも白ビールらしい、白みがかったきれいな黄金色です。
フルーティーな口当たりと、小麦麦芽特有のほのかな酸味がよく調和して、さっぱりと飲めます。
アルプスヴァイツェンは南信州ビールの期間限定ビールです。南信州ビールではゴールデンエール、アンバーエール、デュンケルヴァイツェンの3種類の定番の他に2か月ごとに期間限定ビールを発売しているそうです。
南信州ビールの醸造所は、中央アルプスの駒ケ岳標高800mに位置し、地下120mよりくみ上げた地下水から作られているそうです。
湘南ビール IPAカリプソ(神奈川) 900円
琥珀色の美しいビールです。
柑橘系の甘みの後にスッキリとした苦味の余韻が長く続く、とても印象的なビールです。かなり苦味が強いのですが、甘みと苦味のバランスが良く、さわやかに飲めます。
湘南ビールは明治5年創業の熊澤酒造が手がけるビール。丹沢山の伏流水のみを使用し、無濾過・非加熱処理で作るのだそうです。
このビールIPAカリプソはアメリカ産のホップ「カリプソ」を使用しています。2011年リリースという新しい品種で、リンゴや洋ナシのような香りが楽しめます。
お通し 500円
イクラの醤油漬けですが、燻製のようにスモーキーな香りがします。思わず、「日本酒~!!」と叫びそうになりましたが、もちろん、ビールにもよく合います。
アウトサイダーブルーイング ビターラガー(山梨) 900円
アウトサイダーブルーイング ビターラガーは、地ビール黎明期から岐阜の「博石館ビール」、岩手の「いわて蔵ビール」で独創的なビール造りをしていた醸造家である丹羽 智さんが手がけるビールです。
マーク・メイジャー氏が日本地ビール協会のメールマガジン上でブルワーを募集し、それに丹羽さんが応えたことで、アウトサイダーブルーイングという醸造所が誕生したのだそうです。
ブラウン系のビールにもかかわらず、この透明度が美しいです。
ビターラガーというネーミングですが、苦味はそれほど感じられず、しっかりとしたコクを楽しむビールだと思います。
技術と経験に裏付けされた斬新なアイデアが、このビールの味からも感じられました。
度数も高めでじっくり飲めます。
富士桜高原麦酒 ラオホ
イギリスで開催される世界的なビールコンペティション「ワールド・ビア・アワード 2014」で「ワールドベスト・スモークド賞」を受賞した「富士桜高原麦酒 ラオホ」です。
ラオホとはドイツ語で「燻煙」という意味で、モルトを乾燥させる際にスモークするのだそうです。
今日いちばんのコクと甘み。個性的な味ですが、肉料理でも魚料理でもよく合いました。
濃いビールですが、富士山の地中で何十年もかけて浄化された富士桜高原の水を使用しているだけあって、清らかな後味です。料理を楽しみながらゆっくり飲むのがおすすめです。
うにじゃがバター 1100円
ゆでたジャガイモにウニを乗せたものを、石川県大和醤油の「いしる麹」にバターを入れて作ったというソースでいただきます。
ソースに複雑な旨みがあり、ウニの濃厚さも相まって、美味。おつまみに最適です。
魚の干物(サバ) 900円
魚の種類はその時々で変わるのだそうです。本日はサバをいただきました。
干物をただ焼いただけのはずですが・・・静岡県伊東から直送されているというサバは旨みがぎゅっと濃縮されていて脂がほどよく甘い。絶品でした。
このような和食がいただけるのもこちらのお店の特徴です。女性が気軽に来られるよう、体にやさしい料理を用意するようにしているそうです。
お醤油の瓶もお洒落ですね。
いわて蔵ビール オイスタースタウト(岩手) 900円
漆黒のビール。「いわて蔵ビール オイスタースタウト」はアイルランドの伝統的なビールを再現したものです。
その名の通り、三陸広田湾産の牡蠣を殻ごと煮出して熟成させたものだとか。
牡蠣といって連想される生臭さはまったくなく、濃厚ですが香ばしさもあり意外に飲みやすかったです。
黒ビールの濃厚さと牡蠣の旨みはよく合いますが、まさか牡蠣をビールに入れてしまうとは。おいしいビールを生み出すには、こういった発想も大事なんですね。
いわて蔵ビールは1995年に大正酒造でクラフトビールのブランドとして立ち上がりました。
「いわての人が誇れるビールにする」を理念に営業されているそうです。食の安全にも力を入れていて、クラフトビールでは数少ない有機食品加工工場として認定されているのだとか。これからも応援したいビールです。
自家製ソーセージ5種盛り合わせ 2000円
自家製ソーセージ5種。粗びきされた5つのソーセージはそれぞれ違った食感が楽しめます。
ソーセージをナイフで切ると肉汁がじゅわっと溢れるのも自家製ならではですね!
付け合わせの野菜も甘くておいしいです。
北条ワイン ヴィンテージ赤 2011(鳥取) 1,100円
こちらのお店では常時6種類の国産クラフトビールを用意していますが、今日は1つ品切れのため、湘南ビールのお代わりとこの北条ワインをお願いしました。
小ぶりのワイングラスがかわいらしいです。
日本のワインというとまだ認知されていないものも多いのですが、こちらのワインは香りも洗練されており、果実味があるボディは味も奥行きがあって、世界のワインに引けを取りません。
北条醸造所では地元産葡萄にこだわってワインを作っています。今回飲んだワインは自家ぶどう園産メルロ種で作っており、他のワインには地元鳥取県東伯郡北栄町の北条砂丘で栽培した葡萄を使用しているそうです。
デザートはやっぱり「かき氷」です!
デザートはかき氷です。かき氷の種類はその時々で変わるそうです。今日は「トマト」と「煎じ茶」。他の店のかき氷ではなかなかない「トマト」をお願いしました。
オーダーを受けると専用のかき氷機で削っていきます。
こちらのかき氷は日光で湧き水を山の寒さだけで凍らせた天然氷を製造している「四代目 徳次郎」の天然氷を使用しています。現在天然氷は全国で5か所でしか生産されていないという希少な氷だそうです。
かき氷(トマト) 1700円
形も美しく、色鮮やかなかき氷です。シロップに漬けこんだトマトが酸味と甘みのバランスが絶妙でおいしいです。
氷は粉雪系ではなく、シャリシャリした食感で、酔いを程よく覚ましてくれます。
また、シロップが幾重にもかけられていて、食べるたびに違った味が楽しめます。
お値段が高いですが、普段では食べられないごちそうと言えるでしょう。
ラオディ アグリコールラム 2009 (ラオス) (値段不明)
「かき氷に合うお酒はありますか?」とオーナーに無茶ブリしたところ、「かき氷にあうものはなかなか難しいのですが・・・当店ではラムをかき氷にかけることを提案しています。」とのこと。ぜひお願いします!
ということで、かき氷を半分ぐらい食べた後でラムを振りかけていただきました。ラムをかけると氷が速くとけるとのことで、大急ぎで氷を口に運びます。
ラムがこんなにかき氷とあうなんて驚きです。氷にほのかに甘みがついて、この甘みがすでにかけられているシロップやクリームと良く合って絶品なんです。
アグリコールラムとは、従来のラムとは違い添加物を入れず、サトウキビのジュースをそのまま原料として使うのだそうです。そんなラムをかき氷にかけるなんて・・・贅沢すぎます!
かき氷を堪能して会計となりました。
お会計
2人でお通し、ビール6杯、ワイン1杯、かき氷にかけたラム、お料理4品で総額13,950円でした。
スタッフの対応
こぢんまりとした空間で、席も狭かったのですが、スタッフの方がタイミングを見計らってお皿を下げたり、メニューを片付けたりしてくれたので、まったくストレスなく寛げました。
帰りもスタッフの方がエレベータまで送ってくれるなど、丁寧な対応が印象的でした。
銀座ビールバー「麦酒屋るぷりん」総評
店内の調度品から、食器から、オーナーの美意識が貫かれていてとても雰囲気が良く、スタッフの対応も丁寧なので、デートにも使えます。
小さなお店で席が少ないので、大人数では前もって予約しない限り難しいでしょう。予約必須のお店ですが、遅い時間帯は予約なしでも入店できるようです。全席禁煙なので、嫌煙家の方は十分にビールの味を堪能できるでしょう。
料理のメニューも豊富で、どのお料理も丁寧に調理されているのがわかります。ビールを楽しみながらしっかりお食事したい時も、2軒目として軽く飲む時も使えます。土曜日と日曜日は15時から営業しているので、0次会にも最適です。ただ、お店自慢のかき氷は1ドリンク1フードをオーダーした方のみ食べられるそうなので、注意が必要です。
当日は日曜日で、たまたま連休のためかシェフが出勤していましたが、普段の日曜日はお休みでお料理が限定メニューとなるようです。
大人の街銀座にふさわしく、キラリと光るセンスの良いお店です。
今宵もおいしいビールをいただきました。ごちそうさまでした。
銀座ビールバー「麦酒屋るぷりん」お店情報
東京都中央区銀座6-7-7 浦野ビル3F
TEL: 03-6228-5728
ホームページ:http://beer-lupulin.com/
年中無休
月曜日~金曜日までは18時~24時(フードのみ22時30分LO)
火曜日~金曜日までは12時~14時39分まで、ランチ営業
土曜日は15時~22時(フードのみ21時30分LO)
日曜日は15時~20時LO
営業内容、臨時休業の場合あり
東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅 徒歩2分
JR山手線、東京メトロ有楽町線 有楽町駅 徒歩5分
全席禁煙