チェコのビール「ピルスナー・ウルケル」レビュー

グリーンのボトルが印象的なピルスナー・ウルケル。
わたしたちが大好きなピルスナーの元祖、正統派ピルスナーのチェコのビール「ピルスナー・ウルケル」レビューをお届けです。
SABミラー 「ピルスナー・ウルケル」の基本情報
醸造所名:SABミラー
原産国:チェコ ピルゼン
アルコール度数:4.4%
原材料:大麦麦芽・ホップ
ビールスタイル:ボヘミアン・ピルスナー
内容量:330ml
カロリー:記載なし
参考価格:410円
「ピルスナー・ウルケル」の味や風味
<外観>
まさに麦の色という感じで色味の強い黄金色です。
泡はほぼ真っ白でとてもきめ細かく、溢れるように泡立ちます。
<飲む前の香り>
麦の香ばしさと洗練されたホップを感じます。
甘さはあまり無いようです。
<飲んだ時の香り>
モルトの香ばしさをよりハッキリと感じられます。
どっしりと焼いたパンのようなフレーバーもあります。
<ピルスナー・ウルケルの味>
最初にくるのはしっかりした苦味。ホップが作る苦味がビール好きをうならせるはず。
飲みごたえはありますが、軽すぎず重すぎず、わたしたちが飲みなれているいつものビールよりすこし重いという感じです。
<ピルスナー・ウルケルの飲みやすさ>
苦味が強烈なので、ビールの苦味が苦手な方は飲みにくいと思います。苦味はわりとしっかり舌に残ります。
ビールが好きな方なら、喉を通るときの豊かな味わいを何度も体験したくなるはず。
<ピルスナー・ウルケルに合いそうな料理>
しょうゆ系の和食から、がっつり焼き肉まで何にでも合いそうです!
★★★★★(星5つ)
「ピルスナー・ウルケル」のレビュー
香ばしくて、苦味があってそれでいて爽やかさも持ち合わせていて・・・本当においしいです!さすが、ピルスナーの元祖なだけあります。傑作です!
全てのバランスがかなり高いレベルでまとまっています。
「これがわたしたちのボヘミアン・ピルスナーです」のような自信やプライドを感じます。
美しい黄金色、ホップの上品な香りと程よい苦味、モルトの香ばしさ、爽快な炭酸!わたしたちが「ビールにはこうあって欲しい!」と勝手に願っている全てが詰まっているのではないでしょうか。
こんなにビール本来のおいしさがあるのに、副原料は一切なしで麦とホップだけで作られているところも本当に素晴らしい!
ピルスナー・ウルケルのアルコール度数は4.4%です。
ラガーの平均は5.0%程度なので、若干低めでもあります。
そこがまた良いんです。なぜなら、何杯でも飲めそうだから!
ピルスナー・ウルケルは名実ともに元祖スーパースターなビールです。
少しでもビールが好きなら、飲んでみるしかないですよ!
ピルスナー・ウルケルの誕生
ピルスナーは、日本はもちろん世界中で愛されているビールスタイルです。
「ウルケル」はドイツ語で「元祖」という意味。
ピルスナー・ウルケルは、1842年にチェコのピルゼンで生まれました。
ビールの醸造技術は当時からあったものの、品質が安定しておらず試行錯誤の連続だったのだそうです。
そこで、ピルゼン市民たちは新しい醸造所を造り、ドイツのミュンヘンからビール醸造技術者のヨーゼフ・グロルを呼び、ピルゼンのビールを造りました。
今でこそ、ピルスナースタイルのビールは珍しいものではありませんが、醸造所で初めて樽を開けて、黄金色に輝く透明な液体と真っ白な泡を見た当時の醸造家たちは大変感激したそうですよ。
ピルゼンの水が下面発酵のビール造りに適していたことから生まれたピルスナー・ウルケルは、その後、ガラスで作られたグラスの普及が広まるとともに人気が爆発!
世界的で売れていくことになります。
誕生から173年たった今でも世界中で親しまれていて、ピルスナー・ウルケルを越えるボヘミアン・ピルスナーを造りたいと頑張っている若き醸造家もいます。
大手がクラフトビール業界に参入したり、独自のスタイルで新しいビールを造るブルワリーも増えていますが、ピルスナー・ウルケルの伝統を守る姿勢は、これからも変わらないと思います。
ピルスナー・ウルケルは伝統的な製法で作られている
ピルスナー・ウルケルは、モルトを3回かけて糖化する「トリプルデコクション法」という製法で作られています。
これはチェコのビール造りにおいて伝統的な製法で、手間もかかれば時間もかかる、現代においてはこだわりの製法と言える技術ですが、チェコでも多くの醸造所が今でもトリプルデコクションを行っているわけではありません。
ピルスナー・ウルケルはこの伝統的な醸造技術を現在でも頑なに守っています。
良きお手本を貫くようなところも、ピルスナー・ウルケルを越えたいと願うブルワーが尊敬しているところなのかもしれません。
ピルスナー・ウルケルは気軽に購入できる!
ピルスナー好きの日本人として、1度は飲んでおきたいピルスナー・ウルケルは、意外と気軽に購入することができます。
ちょっと大きな酒屋さんや、デパ地下でも販売されていますので、グリーンのボトルを見かけたら是非手にとってみてください。
なんでも酒や カクヤスさんでも取扱っています。
日本人好みの「ピルスナー」とピルスナー・ウルケルの違い
ビール=ピルスナーと言ってもおかしくないくらい日本人はピルスナーが大好き!
居酒屋などでビールを注文すると、決まってでてくるのもピルスナーです。
ピルスナーの苦味、キレ、喉をゴクゴク鳴らしたくなる喉ごし、そして見た目の美しさと爽快感などは日本人がとても好きなビールです。
この日本人好みのピルスナーは、日本にやってくるまでの間にドイツを経由しています。
そのため、日本人に馴染みが深いピルスナーは「ジャーマンスタイルピルスナー」の影響を深く受けたもの。
そして、日本人の解釈によってわたしたちが好む味に仕上げられたものです。
本来のチェコスタイルのピルスナーは「ボヘミアンピルスナー」と呼ばれていて、風味の特徴が少し異なります。
ピルスナー・ウルケルは日本で購入できるボヘミアンピルスナーの代表格。
いつものピルスナーとの違いを試してみるのも面白いと思います。
醸造所では樽から汲み出したピルスナーウルケルを試飲できる!
ブルワリーでは、樽から直接汲んだ無ろ過のピルスナー・ウルケルを試飲することができます。
瓶詰めでもこれだけおいしいので、樽生はさらにおいしそう!
ピルスナーウルケル醸造所は、チェコに行く際にはハズせないイベントです!
ピルスナーウルケルレビュー・あとがき
ピルスナー・ウルケルはわたしたちが大好きなビールの元となった製品です。
いろいろとウンチクを書きましたが、ピルスナー・ウルケルのような伝統ある、そして世界中で愛されているようなビールは、難しいことを考えずにまずは飲んでみるに限ります。
ピルスナーの元祖という冠のピルスナー・ウルケルは、ビールの苦味が好きな人にはたまらない味わいだと思います。
ピルスナー独自の苦味と麦の深み、爽快な炭酸、キリッとした喉ごしは、1度飲むとクセになります。