ドイツのボン市にあるBrauhaus Bonnsch(ブラウハウス ボンシュ)に行った感想

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ドイツのボン市にあるBrauhaus Bonnsch(ブラウハウス ボンシュ)に行った感想

ドイツのボン市中心部にある「Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)」に行ってきました。「Brauhaus」はドイツ語で「醸造所」という意味で、直訳すれば「ボンシュ醸造所」。その名のとおり、お店が醸造したオリジナルビール「ボンシュ」を楽しめるお店です。

最寄り駅はBertha-von-Suttner-Pl./Beethovenhaus(ベルタ-フォン-スットナープラッツ/ベートーヴェンハウス)。ボン中央駅からトラム66番で2駅ですが、歩いても10分くらいなので市内観光がてら歩くのがオススメです。

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駅名にもなっているとおり、ボンはベートーヴェンが生まれた街として有名で、ベートーヴェンが生まれた家「ベートーヴェンハウス」が観光名所になっています。市の中心部には大きなベートーヴェンの銅像も。ボンシュは「ベートーヴェンハウス」のすぐ近くなので観光してから向かうのもいいでしょう。

「ボンシュ」と聞くと、ドイツビールに詳しい人はケルンの「ケルシュ」を思い出すのではないでしょうか。ああ、ケルンだから「ケルシュ」、ボンだから「ボンシュ」ね。と、いうわけではありません。しかし「ケルシュ」と「ボンシュ」の話はのちほど。まずはお店を見てみましょう。

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Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)の雰囲気

Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)の雰囲気

お店は地元のドイツ人で賑わっています。夏の間は外にあるテラス席がいつも満席。中の席はガラガラです。冬場はテラス席がなくなるので、店内がいっぱいになります。ちょっと一杯という人も多く、何も食べずにビール2、3杯だけひっかけて帰る人もよく見ます。むしろそんな人の方が多いです。観光をして「喉が渇いたなぁ」というときにも、食事を頼む必要がないので気軽に立ち寄れます。

食事をする場合、ドイツ人のお昼は遅く13時ぐらいからなので、12時ぐらいに行けば空いています。もちろんみんなお昼からビールを飲んでます。お昼だからといって気兼ねすることなくビールを楽しんでください。夜は20時ぐらいから混みはじめるので、18時ぐらいならほどよく空いています。

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観光客らしき人もたまに見かけますがあまり多くはありません。なので、店員さんの英語対応は人によってまちまち。若い人で英語がペラペラの人もいれば、ドイツ語まじりで片言の人もいます。

それでもだいたいの店員さんが英語で対応してくれます。ビールを注文するときは片言の英語で大丈夫。英語メニューも用意されています。

ドイツでは2008年に禁煙法が施行され、原則飲食店での喫煙が禁止されました。基本的には屋内での喫煙は禁止、屋外のテラス席は許可されている州が多いようです。ですが、実際に取り締まりを受けることがほとんどないため、屋内でも喫煙できるレストランがいまでも多くあります。ボンシュも……。しかし屋内で喫煙した場合、レストランと喫煙者の両方が罰を受けるので、旅行者は止めておいた方がよいでしょう。

ボンシュがある通りはビアバーやレストランなどたくさんの飲食店が並んでいます。なかには寿司バーも。もともとボン市は治安がよいのですが、このあたりは人通りも多く、明るいので安心してビールが飲めます。ただしテラス席ではスリや置き引きの危険があるので注意してください。


フルーティな香りと甘く滑らかな口当たりのビール「ボンシュ」

ビール「ボンシュ」

さて、お待ちかねのビール「ボンシュ」です。自転車のグリップみたいな握り手のついたオリジナルのグラス(200ミリリットル)が有名なのですが、夏の間、テラス席で飲む人はみんな普通のビールグラス(300ミリリットル)になるそうです。残念。オリジナルグラスは公式ホームページのこちらをご覧ください。

<ボンシュオリジナルグラス>
http://www.boennsch.de/das-brauhaus/das-boennsch-glas

ボンシュは上面発酵のビール。アロマホップのフルーティな香りと酵母の甘く滑らかな口当たりが特徴のビールです。

酵母が加えられているので少し濁って見えます。甘みが強いのですが、ドイツビールにしては珍しくキンキンに冷やして飲むのですいすいイケちゃいます。

凍ってるアイスはそれほど甘くないけど、常温になって溶けるとものすごく甘いというのと似てますね。


ビールグラスが空いていると「おかわりは?」と聞かれます

オリジナルグラスのときには、ケルシュと同じようにお盆にいれて配り歩くわんこビール方式です。グラスが空いていると「おかわりは?」と聞かれます。

そう聞かれて断れるビール好きがどれぐらいいるでしょうか。ついつい飲み過ぎてしまうのが難点です。断りたい場合は「Nein,Danke(ナイン、ダンケ)」でもいいですし、グラスにコースターで蓋をしても「おかわりはいらない」という意味になります。こういうところもわんこそばに似ています。

ドイツではビールの喉越しを楽しむという飲み方はあまりせず、ゆっくりと香りや味を楽しみます。以前、ボンシュで一人6杯(200ミリリットルグラスなので1.2リットル)飲んだところ、不安そうな顔をした店員さんに「数え間違ったかもしれないから、会計を確認してくれる?」と言われました。

そんなに飲むドイツ人はいないんですね。「これで合ってる」と答えると二度見されました。驚かせてごめんなさい。

甘い香りに魅かれるのか、ボンシュを飲んでいるとしょっちゅう蜂が飛んできます。ボンシュに限った話ではなく、近くに木があるテラス席だとよくあることなので、ドイツ人は顔の周りを飛んでいても平然としています。

あんまりしつこく蜂が飛んでいるなら、グラスにコースターで蓋をして塞ぎましょう。これでだいぶ寄ってこなくなります。

ビールはボンシュのみ。ナチュラル(酵母入り無濾過)、シーズンビール、コーラなどを混ぜたもの、小麦ビール(ヴァイツェン)の4種類あるようです。

ほかの会社のビールが飲みたい、と言ってみましたが、ほかはアルコールフリービールしかありませんでした。
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訪れたとき(8月初旬)のシーズンビールはヒンベリー(野いちご)を混ぜたビールです。ベルリナーというビールも果物リキュールと混ぜて飲むのですが、ドイツ人は果物を混ぜるのが好きなのでしょうか。
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ゼクトも飲んでみました。ゼクトはドイツ語でスパークリングワインの意味です。これはドイツのトリーア地方のもの。甘みは強いけど、炭酸のすっきりとしたあとくちで飲みやすいです。ドイツといえばビールですが、ワインやゼクトもたくさん作られています。


ドイツ定番のカリーヴルストと新しいおつまみ「フラムクーヘン」

ドイツ定番のカリーヴルスト

ビールのおつまみはやっぱりこれ。ドイツなら外せませんよね。カリーヴルストです。ヴルスト(ソーセージ)を焼いて、ケチャップとカレーパウダーで味付けしています。

街中のインビス(軽食屋)でも食べられますが、レストランのものはヴルストが大きくて工夫が凝らしてあるので、いろんな店のものを試してみるのも楽しいです。

目の前に置かれるとカレーパウダーのスパイシーな香りに食欲がそそられます。ナイフで一口切り分けると、ぎっしり肉の詰まった断面が見えます。

あんまりぎっしりしているので刃が入りにくく感じるほどです。口に運べば、しっかりとした歯ごたえで、肉の旨みが伝わってきます。ソーセージというよりも、塩とハーブで味付けした肉100パーセントのハンバーグを食べているような感じです。

自家製らしいケチャップはフレッシュな甘みで、ヴルストに爽やかさを加えます。ピリッとしたカレーパウダーがアクセントになって、もう文句なしに美味しい! あまり美味しい物がないと言われるドイツですが、カリーヴルストはどこで食べてもシンプルで美味しいです。

お店によってポテトかパンのどちらかが添えられています。これでもか!とかかったスパイシーなソースをポテトやパンにたっぷりつけて、最後まで食べきるのがドイツ流です。

ボンシュではザワークラウト(キャベツの酢漬け)も添えられていました。ドイツの名物が詰まっているオススメのメニューです。

もう一つは、最近ドイツで人気がでてきたフラムクーヘン(Flammkuchen)です。
フラムクーヘン
これが本当にビールによく合う! ドイツ南西部にあるアルザス地方の料理でしたが、いまは北部ベルリンでも食べることができます。薄いピザのような食べ物です。

薄―――く伸ばしたピザ生地に淡い酸味のある発酵チーズを塗り、ベーコンや薄切りの玉ねぎを散らして焼きます。ピザのようにこってりとした味のものが食べたいけど、お腹がいっぱいというときにもピッタリです。適度な塩味の生地に酸味のある発酵チーズ、こってりとしたベーコンの脂身と玉ねぎの甘みがとってもビールに合います。

今回はハーブとマリネしたスモークサーモンと、ルッコラをトッピングしたフラムクーヘンをチョイス。大きく見えますが男の人なら一人で食べきれる量です。女性なら二人で一つでちょうどいいかも。友人同士でもお皿をシェアする習慣がないので、ドイツのレストランでは普通一人1品注文するのですが、このお店はあまり気にしないので頼みやすいです。

コースターにお会計のメモ

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ビールを持ってきてくれた店員さんがコースターにこんなメモをしていきます。これはお会計のメモ代わりになっています。バツ印はボンシュを飲んだ数、「Picozol」とあるのはゼクトの商品名、○にEと書いてあるのは「essen(食事する)」の略で、料理を頼んだ目印です。この目印がない場合は、店員さんがバツ印の数を数えてお会計してくれます。石に書いてあるのはテーブルナンバーです。


Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)でお会計

Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)でお会計

他の欧米諸国と同じくテーブルチャージです。店員さんに「Zahlen, bitte(お会計お願いします)」というとレシートを持ってきてくれます。もちろん英語で「Check, please」でも通じます。

ビールしか頼んでいない場合はコースターのバツ印を数えるだけなので、レシートがない場合もあります。その場合は店員さんが暗算で計算して金額を教えてくれます。聞き取れなければコースターに金額を書いてもらいましょう。

今回はビール5杯、ゼクト1杯、ミネラルウォーター1杯、カリーヴルスト、フラムクーヘンを頼んで二人で42.85ユーロ。ビール1杯は300ミリリットル2.55ユーロと安いです。1ユーロ136円で計算して6,000円ぐらい。税込で表示されています。


ドイツではチップを払います

ドイツでは5パーセントから10パーセントのチップを上乗せして払います。年配の方は10パーセント、若い人なら5パーセントぐらいを払う人が多いようです。懐具合にあわせてといった感じですね。

観光客なら5パーセントぐらい払えば大丈夫。きっちり5パーセントではなく、なんとなくキリがいい金額を払います。わたしたちは45ユーロ払いました。6,200円ちょっと。いまはユーロが高いので高めに感じますが、ドイツの物価だと1ユーロ100円ぐらいの感覚なので、日本よりは安く外食を楽しめるイメージです。

チップを支払う習慣がない日本人にはチップの渡し方が難しいですよね。ちょうどのお金があればいいのですが、ない場合の支払い方をお教えします。レストランの場合、「I pay ○○euro.」とチップを上乗せした金額を伝えればOK。

ドイツではボラれることもないので、お釣りを少なくされることもなく、すんなりと支払えます。英語が苦手ならば返してもらったお釣りのうちから適当なコインを選び、「for you」と言って差し出すだけでも大丈夫です。


「ケルシュ」と「ボンシュ」の違い

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※↑写真は店内にある醸造機です。

最初の方で「ボンシュはケルシュとは違う」と書きましたが、実は「ボンシュ」は「ケルシュ」と同じような名前を認められた地ビールではなく、商品名なのです。

ドイツのビールは基本すべて地ビールです。全国で1,200以上の醸造所があります。日本は200か所くらいだそうなので、ずいぶん多いです。それぞれの醸造所はそれぞれの名前をつけたビールを数種類作っていて、銘柄は5,000以上にも上ります。

このうちその地域特有の製法を取るビールを、その地方の名前を冠したビールとして政府が認めます。稲庭うどんとか讃岐うどんみたいな感じですね。

どこかの会社が作ったうどんというわけではなく、その地域で一定の製法を取ったうどんです。EUではこういった地名を冠した商品を作る権利を「地理的表示権」と呼び、その地方だけが製造を許されています。

ドイツには地理的表示権が認められたビールが12あります。Bayerisches Bier(バイエルン・ビア) 、Kulmbacher Bier(クルムバッハ・ビア)、Münchner Bier(ミュンヒナー・ビア) など有名どころが並ぶ12銘柄のうちの一つが「ケルシュ」です。

一方、ボン地方は地理的に近いケルンの生活圏に含まれるため、地ビールは「ケルシュ」を飲んでいます。ボンには「ボンシュ」という名前を認められた地ビールはなく、「Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)」が作っているビールは他の醸造所と同じように、一醸造所が作ったビールという位置づけです。つまり商品名というわけです。

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ドイツ人の知人に聞いたところ「いいジョークだよね」とのことでしたので、「ボンシュ」は「ケルシュ」にちなんだ名前をつけた、というぐらいのことのようです。しかし最近では「ボンにも地ビールを」という機運が高まり、ボン市内に4、5件、独自のビールが飲める醸造所が出来てきました。「ボンシュ」はレストランだけでなく、市内のスーパーでの販売も始めています。写真がそのビールです。これからどんどん増えてきたら、いつかボンの地ビールが認められるかも? 未来の「ボンシュ」をぜひお楽しみください。


Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)お店の基本情報

名前:Brauhaus Bönnsch(ブラウハウス ボンシュ)
住所:Sterntorbrücke 4, 53111 Bonn,Germany
電話番号:0228–65–0610(日本からかける場合は国番号49 )
営業時間:月~木 11:00~AM1:00、金・土 11:00~AM3:00、日 12:00~AM1:00
定休日:なし。クリスマス、イースターは随時休み。

ドイツ語しかありませんがここから予約も可能です。
http://www.boennsch.de/kontakt/reservierung

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