フレンスブルガー・ピルスナー(Flensburger Pilsner)レビュー

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ドイツ最北端のビール! 氷河流の水を利用し、スパイシーでピュアドライな飲み口に仕上げたフレンスブルガー・ピルスナーのレビューをお送りします。

フレンスブルガー・ピルスナー(Flensburger Pilsner)レビュー

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フレンスブルガー・ピルスナー(Flensburger Pilsner)の基本情報

銘柄(商品名):フレンスブルガー・ピルスナー
醸造所名:フレンスブルガー醸造所・エミル・ピーターソン株式会社(Flensburger Brauerei Emil Petersen GmbH)
原産国:ドイツ
アルコール度数:4.8%
原材料:水、大麦麦芽、ホップ抽出物
ビールスタイル:ジャーマンピルスナー
内容量:330ml
カロリー:記載なし
参考価格:0.84ユーロ(日本円で100円程度)


フレンスブルガー・ピルスナーの味や風味

<外観>
フレンスブルガー・ピルスナーの外観
かなり淡い黄金色で、フレンスブルガーの公式サイトでの評価も5段階中1という透明度。泡もクリアな白です。キメの細かい泡がむくむくと立ち上がります。

<飲む前の香り>
ホップエキスを使っているからか、ホップそのものの青い香りというよりは、苦味を凝縮したような鋭い香りがします。飲む前から期待大。

<飲んだ時の香り>
飲んだ時の香りは薄く、あっさりしています。しかし香りがしないことで、喉越しの良さやキレ味が際立っているようです。

<フレンスブルガー・ピルスナーの味>
なによりも鋭い苦味と喉を焼くような刺激! 夏にピッタリの爽快感、清涼感を感じさせます。飲みごたえはあっさりしていますが、キレは抜群。口に含んだときに感じる鋭い苦味は、喉をチリチリと刺激して、あっさりと消えていきます。もっと飲みたい!という気持ちが湧き上がりますね。

炭酸は強め。雑味はなく、ピュアなビールの刺激が伝わってきます。アルコール度数は4.8パーセントですが、あっさりと飲めてしまうので、他のビールに比べてアルコールが弱く感じます。ドライビール好きにはオススメの逸品です。

<フレンスブルガー・ピルスナーの飲みやすさ>
「いつでも飲みやすいか」と言われると少し難しいですね。夏にはピッタリだと思いますが、ドイツは寒い季節が多いので、冬にフレンスブルガー・ピルスナーを冷蔵庫で冷やしてゴクゴク飲む……というのは厳しい。かえって暑い日本の夏の方が向いているかもしれません。刺激が強く、女性には少し飲みにくいかなと思うので、総合評価は星4つ。

<フレンスブルガー・ピルスナーに合いそうな料理>
苦味が強いので肉料理にも合いそうですが、港町フレンスブルクならば魚料理に合わせたいところ。ドイツでも北ドイツや湖が近い地方ではよく魚を食べます。料理方法はシンプルにオリーブオイルやバターでソテーして、塩・胡椒をかけることが多いようです。日本でも焼き魚と合わせるといいかもしれませんね。

<総合評価>
★★★★☆(星4つ)


フレンスブルガー・ピルスナーのレビュー

フレンスブルガー・ピルスナーのスイングトップボトル

フレンスブルガー最大の特長の一つが、このスイングトップボトル。昔はこのスイングトップを利用しているビールも多かったのだそうですが、現在ではより安価で取り扱いが楽なクラウントップ(王冠)に変えられています。しかし密閉度では圧倒的にスイングトップが上。そのため、スイングトップを利用しているフレンスブルガーは作りたての新鮮さが長く保てるのだそうです。なるほど。

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スイングトップに利用されている陶器にはこんな模様が書かれています。北ドイツは海洋交易を中心に栄え、漁業も盛ん。その象徴として北ドイツ伝統の帆船が描かれているようです。ちなみに北ドイツではいまでも帆船をテーマとしたお祭りが行われています。

金具を引っ張って持ち上げると「シュコッ」と音を立てて開きます。これが気持ちいい。なんだかシャンパンを開けたような気分。公式サイトでは「plop’」と表現されていますが、日本人には「プロップ」とは聞こえない気がします。ニワトリの鳴き声が英語だと「クックドゥルドゥ」というのに似てますね。

量はレギュラーサイズの瓶ビールよりも少なめの330ミリリットル。大きなビアグラスでなくても注ぎ切ることができます。蓋がついているので、ちょっとぐらい残っても栓ができるのかもしれませんが、いまのところ使ったことはありません。

公式ホームページによると「スイングトップボトルを利用したビールとしては、世界で最も成功したビールの一つ」なのだとか。たしかにスイングトップボトルのビールはドイツでもあんまり見ませんが、フレンスブルガーはよく売れていると思います。

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さて、裏面を見るとフレンスブルガーの特長について詳しく書かれています。簡単に訳してみると、「フレンスブルガー・ピルスナーはシャープな酸味のスパイシーさがあり、風味が豊か。最上級の材料と大変珍しいフレンスブルガー氷河の水を使って醸造されています。もちろんビール純粋令を遵守。1888年から一族経営の醸造所として創業しています」

驚いたのは「フレンスブルガー氷河の水」です。氷河の水ってなに!? 公式サイトでもう少し詳しく確認してみると、北スカンジナビアの地下には氷河が溶けだした水が流れる「氷河流」という川のようなものがあり、フレンスブルガーの水はそこから汲み上げているのだとか。

山の雪解け水は不純物が少なく澄んでいるように、氷河流の水も汚染物質は極小(原文では「皆無」に近い表現です)。透明に澄んだ、徹底的にクリアでピュアな水が、特長的なスパイシーさを引き立てているのでしょうね。氷河の水を飲む機会もなかなかないので、そういった意味でも珍しく面白いビールです。


フレンスブルガー・ピルスナーのこぼれ話

この記事を書くためにビールを購入するのですが、フレンスブルガー・ピルスナーが売り切れていてとても困りました……。フレンスブルガー自体は北ドイツのビールなので、中部ドイツにあるボンでは、店によって置いてあったりなかったりという感じです。

幸い、自宅近くのスーパーではいつも売られているのですが、いざ記事を書こうという段になって突然の品切れ。少し暖かくなり始めたころから飲み口のさっぱりしたビットブルガーが飛ぶように売れ始め、次々にピルスナービールが消えていき、フレンスブルガー・ピルスナーも底をついてしまったのです。

日本では考えられないことですが、ドイツでは次の入荷までかなり時間がかかることがあり、フレンスブルガー・ピルスナーがすっからかんになったビール棚も空のまま2週間……。フレンスブルガーには他にもゴールド・ドゥンケル・ヴァイツェン・ボックの4種類あるのですが、こちらはずっと残っていました。

ある意味、フレンスブルガー・ピルスナーの人気を実感するエピソードだったのでご紹介しておきます。皆さんもドイツに来てビールを買うときには、一期一会の気持ちで購入してください。次の日にはなくなってしまうかも!

フレンスブルガー醸造所・エミル・ピーターソン株式会社について

フレンスブルガー醸造所は1888年に北ドイツの港町、フレンスブルクで創業しました。一族経営ということなのですが、現在の社名には「エミル・ピーターソン」という名前が入っています。どういうことなんだろうと調べてみたら、意外なことが分かりました。

フレンスブルガー醸造所は1920年ごろまで順調に成長を続けていましたが、1927年ごろに重大な経営危機を迎えます。この危機に際して招へいされたのが、コンサルタントのエミル・ピーターソン。それまでは個々人で定めていた目標を醸造所として統一。「経験と継続」という目的の元、一体となって努力することで現在の成功へつながりました。

1960年代にビール醸造各社がクラウントップを導入していく中、スイングトップボトルにこだわり、継続を決めたのもエミル・ピーターソン。これらの貢献によってエミル・ピーターソンの名前が社名に残ることになったようです。

たしかに、スイングトップボトルはとても特長的。フレンスブルガーの代名詞にもなっています。社名一つとってもビールの意外な歴史があるんですね。

kamatsu

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