ヴィルトハウス・サルバトール・ボンでオクトーバーフェストビアを飲んできた

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ヴィルトハウス・サルバトール・ボンでオクトーバーフェストビアを飲んできた

「デュッセルドルフのオクトーバーフェスト」の記事でお話ししましたが、オクトーバーフェストはドイツ国内のみならず、他国からも人が集まる大きな祭りです。

とても楽しいのですが、テントの中に人が集まるのでかなり騒がしく、スリや置き引きなどの被害もよく聞かれます。「一人で出張中に」とか、「小さな子ども連れで」というときには少し利用しにくい印象です。

しかしドイツに来て、それがもしオクトーバーフェストと期間がかぶっていたならオクトーバーフェストビアを飲んでみたい、と思うのがビール好きの人情というものですよね。

そこで今回はレビューと合わせて、レストランで落ち着いてオクトーバーフェストビアを楽しむ方法をご紹介します。

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オクトーバーフェストビアが飲める店探し

オクトーバーフェストはドイツ南部バイエルン州ミュンヘン市のお祭りなので、バイエルン料理が食べられるお店を探すことが近道です。目印は青と白の格子柄の旗です。

この青と白の格子柄の旗はバイエルン州の州旗の色なので、これが掲げてあるということはバイエルン料理が食べられるお店だと分かります。こういったお店のほとんどはオクトーバーフェスト期間中にオクトーバーフェストビアを提供しています。お店の外観の写真だと真ん中上あたりに旗があるのが見えるでしょうか。

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このお店では入り口に「Oktoberfestbier ist da!!!」という看板が掲げられていました。「オクトーバーフェストビアあります!!!」という意味です。力強い。ちなみにドイツ語はなんでもかんでもくっつけて一つの単語にしてしまうので、「bier(ビール)」に「Oktoberfest(オクトーバーフェスト)」をくっつけて「Oktoberfestbier(オクトーバーフェストビア)」という一語になります。単語がくっついているとメニュー表や看板で探しにくくなるので、一語で覚えておくと便利かもしれません。

普段はバイエルンカラーの旗を掲げていないお店でも、ミュンヘンビールを取り扱っているお店がオクトーバーフェストビアを出すこともあるのですが、観光で来てそういうお店を探すのは難しそうです。


「ヴィルトハウス・サルバトール・ボン」の行き方と雰囲気

ボン市の中心にある「ヴィルトハウス・サルバトール・ボン(以下『サルバトール』)」はミュンヘン料理が食べられるお店で、地元民にも人気のお店です。もちろんオクトーバーフェスト期間中はオクトーバーフェストビアを飲むことができるので、今回行ってきました。

ボン中央駅からは徒歩5分ほど。ボン市のシンボル、ベートーベン像のあるポストプラッツの裏通りにあります。訪れた日は9月下旬で気温は20度前後。初秋の肌寒さで、わたしは薄手のダウンジャケットを着るほどだったのですが、やはり外のテーブルでビールを飲んでいる人がいました。

ドイツの10月は結構寒いのですが、お店が外にテーブルを出しているかぎりは上着を着て震えながらでもビールを飲むドイツ人をよく見かけます。夏が短いので満喫し倒したいのでしょうね。気持ちは分かります。

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気持ちは分かりますがやっぱり寒いので、我々は店内に入りました。店内は広々として、昔ながらの飲み屋という感じです。「Wirtshaus」は「旅籠」という意味で、昔は宿泊施設とレストランを兼ねていたのだとか。

ミュンヘン料理のお店にはよくこの「Wirtshaus」がついていますが、名前が「Wirtshaus」というだけで昔旅籠をやっていたというわけではないようです。天井にもバイエルンフラッグが飾り付けられています。不思議なものでバイエルンフラッグを見慣れてくると、この色を見ただけで「ビール飲まなきゃ!」という気持ちになってきます。パブロフの犬のようです。

入り口近くにはカウンターバーもあり、急いでいるときにはここでビールだけ飲むこともできます。食事を頼まなくてもゆっくり飲みたいときにはテーブルに座っても構いません。店内は禁煙で、喫煙する場合は店外に出て吸います。


オクトーバーフェストビアの注文方法

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さて、これがなくては始まりません。オクトーバーフェストビアです。頼み方は簡単。英語で「オクトーバーフェストビア、プリーズ」でもドイツ語で「オクトーバーフェストビア、ビッテ」でもどちらでも通じます。

ただしドイツ語で話し始めてしまうと、その後の会話もドイツ語になる可能性が高いので、無理をせず英語で話し始める方が無難です。サルバトールには英語メニューがあり、片言ですが英語で対応してくれます。バイエルン地方の人はたいてい陽気で親切なので、バイエルン料理のお店でも丁寧に接客してくれるところが多いです。

サルバトールのビールはPaulaner(パウラナー)です。かつてパウラーナー修道院で醸造していたことが名前の由来。ミュンヘン市内の醸造所の中でもかなりの老舗で、幅広い品揃えが魅力のブルワリーです。

サルバトールでも樽生7種、瓶ビール2種、アルコールフリー3種を飲むことができます。詳しくはのちほどお話しするとして、まずはオクトーバーフェストビアを飲んでみましょう。

パウラナーのオクトーバーフェストビアの色は美しい黄金色、軽い口当たりですが、モルトの香りがしっかりしています。アルコール度数は6.0パーセントと、通常のビールの4.9パーセントと比べると若干高めです。

飲み下して香りが鼻から抜けるときに、アルコールの強さがよく分かります。これを飲んで踊ったら酔うだろうなぁという感じです(「デュッセルドルフのオクトーバーフェスト」記事の「もう一つのオクトーバーフェスト名物」参照)。

オクトーバーフェストといえば1リットルジョッキ、Maß(マス)が名物ですが、レストランでも飲むことができます。しかしとても重いので、落ち着いて飲むならハーフサイズ(500ミリリットル)、もしくはスモールサイズ(300ミリリットル)が無難です。オクトーバーフェストにはスモールサイズはないので、量が飲めないけれどオクトーバーフェストビアを飲んでみたいという人には嬉しいですね。しかしお店によってはオクトーバーフェストにならってスモールサイズがないところもあるのでご注意ください。


レストランならば料理の種類が豊富

オクトーバーフェスト会場ではオクトーバーフェストビアがメイン、料理がサブなので、正直それほど美味しくない料理が多いのですが、その点、レストランならば料理の種類が豊富。バイエルン料理のお店は味も美味しいところが多いので、お料理も楽しめます。

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まずは定番のWeisswurst(白ソーセージ)とPretzel(プレッツェル)です。

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白ソーセージは茹でて温かいまま食べるので、レストランだとスープに漬けたままサーブしてくれます。スープに漬けたままなので、皮はしっとりと柔らかく、肉もふんわりとした歯ごたえです。これにハニーマスタードをつけて食べると肉の臭みが消えて、あっさりとした旨味だけが残ります。とても美味しい。

プレッツェルは口元に近づけただけで豊かな小麦の香りがします。かりかりとした小さめのおやつ用プレッツェルとは異なり、しっかりとしたパンのような歯ごたえです。甘みは控えめで、どちらかといえば塩が勝っているのでビールによく合います。表面についている粒塩が歯ごたえのアクセントになって、これだけでビールが楽しめるようになっています。

白ソーセージは2本からの注文で、1本2.6ユーロ。お好みで本数を増やせます。プレッツェルは1回の注文につき1つついてきます。お得です。

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もう一品は南ドイツの名物料理、シュバイン・ハクセをいただきました。ドイツ語だと「Schweinshax’n」。「ハクセ」は「豚のすね肉」という意味で、北ドイツだと煮込みにして「アイスバイン」、南ドイツだと焼いて「シュバイン・ハクセ」になります。

シュバイン・ハクセはどこのお店でも外れなく美味しいのですが、大きいので途中で飽きてしまうのが難点。しかしサルバトールでは多めの油でハクセを揚げ焼きにしているのか、皮がパリッパリでとても美味しく飽きが来ません。メニューにも「Knusprige Schweinshax’n(カリカリしたシュバイン・ハクセ)」と書いてあり、「サルバトールでしか味わえません!」とあります。大半のお客さんがシュバイン・ハクセを頼んでいるのも納得です。

そのほかにもミュンヘンサラダ(ヴルストと玉ねぎとピクルスを細切りにして和えたもの。日本のサラダとはイメージが違います)やシュニッツェル(とても薄いトンカツのような食べ物)もあり、定番の南ドイツ料理が楽しめます。


サルバトールで飲めるビール

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サルバトールではオクトーバーフェストビア以外にも、パウラナーのビールが樽生7種、瓶ビール2種、アルコールフリー3種を飲むことができます。種類が豊富ですね。メニューを書き出してみます。

樽生7種

・Hell (ヘル。複数形の「Helles」と書いてヘレスと呼ぶこともある)(アルコール度数 4.9パーセント)
ミュンヘン地方のラガービール。ピルスナー以前から作られていて、ミュンヘン地方ではピルスナーよりもこちらがメジャーです。

・Urtyp (ウアテュープ)(アルコール度数 5.5パーセント)
「Urtyp」はドイツ語で「原形、元になった物」の意味で、ヘルよりアルコール度数が高く色が濃いのが特徴です。モルトの香りがしっかり味わえます。

・Hell Dunkel (ヘル・ドゥンケル)(アルコール度数 5.0パーセント)
ラガービールの黒ビールです。香ばしい薫りと甘みが強くなります。

・Hefe-Weiss naturtrüb (ヘーフェ・ヴァイス・ナトゥーアトリューブ)(アルコール度数 5.5パーセント)
酵母入りのヴァイツェンビアです。ナトゥーアトリューブは「自然のままの」というような意味で、無濾過だということを表しています。白く濁っている見た目から「Weissbier(白ビール)」と呼ばれることもあります。ちなみに「Weizenbier(ヴァイツェンビア)」は「小麦ビール」という意味ですが、ほとんどのヴァイツェンビアはナトゥーアトリューブなので、小麦ビールのことを「Weizenbier」と言ったり、「Weissbier」と言ったりします。ややこしい。写真はこのヘーフェ・ヴァイスです。

・Salvator(サルバトール)(アルコール度数 7.9パーセント)
最初の方で「パウラナーはパウラーナー修道院で醸造していたことが名前の由来」とお話ししましたが、修道院でビールを醸造していたのは、断食期間中にパンが食べられない代わりにビールを作って飲むようになったことが始まりだと言われています。修道士さんはそんなことでいいんだろうかと疑問に思ってしまいますが、いま美味しいビールが飲めるのもそのおかげなのでありがたいです。パウラナー・サルバトールはまさに断食期間中、より栄養価の高いビールを飲むためのビールで、アルコール度数も通常の5パーセント程度に比べると7.9パーセントとかなり高めです。昔の修道士さんは空きっ腹でこんなの飲んで仕事できたのでしょうか。

・Radler(ラドラー)(アルコール度数 4.0パーセント)
ラガービールのヘルにレモネードを配合したビールです。ビアカクテルのようにあっさりとして飲みやすいです。アルコールを摂取すると肝臓で糖を必要とするので、甘みが加えてあるビールは身体にいいかもしれません。

・Russ’n(ルッスン)(アルコール度数 4.0パーセント)
こちらはヘーフェ・ヴァイスにレモネードを配合したビール。飲んだことがないのですが、かなり甘いという話は聞いたことがあります。


瓶ビール2種、アルコールフリー3種

・Hefe-Weiss Kristall (ヘーフェ・ヴァイス・クリスタル)(アルコール度数 5.5パーセント)
・Hefe-Weiss Dunkel (ヘーフェ・ヴァイス・ドゥンケル)(アルコール度数 5.5パーセント)
ヘーフェ・ヴァイスを濾過したビールと黒ビールです。

・Hefe-Weiss Alkoholfrei (ヘーフェ・ヴァイス・アルコホールフライ)
・Hell Alkoholfrei (ヘル・アルコホールフライ)
・Hefe-Weiss Zitorone (ヘーフェ・ヴァイス・チトローネ)
アルコールフリービールです。ドイツではビールでミネラルやビタミンを摂取するという考え方があるので、スポーツの後や妊婦さんでも飲めるようアルコールフリービールがあるのだそうです。


利きビールセット

ドイツ人はそれぞれお気に入りのビールがあって、メニューも見ずにそのビールを頼むのですが、さすがにこれだけ種類があると全部試してみたくなるのか「Bierprobe(ビアプローブ)」という、日本風に言えば利きビールセットがありました。200ミリリットルの小さなグラスで5種類選べるそうです。計1リットルで10ユーロ。今回メニューを読みこんで初めて気づいたので今度試してみようと思います。


リーズナブルなサルバトール、お会計は38ユーロ

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サルバトールのオクトーバーフェストビアは1杯4.4ユーロと、会場で飲むものとほとんど変わらず良心的。オクトーバーフェストビア3杯、ヘーフェ・ヴァイス1杯、おつまみ2品で計35.4ユーロでした。チップ込みで38ユーロ、5千円強を支払いました。お腹いっぱいでこのお値段ならばかなりリーズナブルです。


レストランでのオクトーバーフェストビアの楽しみ方

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いかがでしたでしょうか。オクトーバーフェストは会場に行って雰囲気を楽しむ、というのもいいものですが、しっかりとオクトーバーフェストビアを楽しみたいというならばレストランもオススメです。バイエルン料理の食べられるお店はドイツ全土にあるので、足を運びやすいのも魅力です。オクトーバーフェスト期間中にドイツに来られることがあったら、本場ミュンヘンに行けないからと諦めずに、レストランにもチャレンジしてみてくださいね。

ヴィルトハウス・サルバトール・ボン「お店の基本情報」

名前:Wirtshaus Salvator Bonn(ヴィルトハウス・サルバトール・ボン)
住所:In der Sürst 5, 53111 Bonn,Germany
電話番号:0228-9449-9200(日本からかける場合は国番号49 )
営業時間:10:30~0:00
定休日:なし。クリスマス、イースターは随時休み。

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