デュッセルドルフのオクトーバーフェストに行ってきた

PR

ddoct11
デュッセルドルフのオクトーバーフェストに行ってきた

秋ですね。10月、オクトーバーです。ドイツ全土のビール好きが待ちに待ったビール祭り、「オクトーバーフェスト」が開催されたので行ってきました。

オクトーバーフェストは本来ドイツ南部にあるミュンヘンの祭りなのですが、ドイツ中西部にあるデュッセルドルフという街でも毎年ライン川沿いに特設会場を設けて賑々しく開催しています。

今年の日程は9月19日から10月4日。オクトーバーフェストなのにほとんど9月に行われるのが少し不思議ですよね。

元々は10月中旬に行われていたそうなのですが、ドイツでは年々寒さが増してきていて、近ごろの10月中旬はとても外でビールを飲めるような陽気ではないので、徐々に日程をずらし9月中旬から行うように変更されたのだそうです。

スポンサードリンク


ヨーロッパ最大の日本人街 デュッセルドルフ

デュッセルドルフは私が住んでいるボンと同じくドイツ中西部のノルトライン=ヴェストファーレン州にあります。同州の州都で、金融や経済、ファッションの街として有名ですが、ヨーロッパ最大の日本人街としても知られています。

人口60万人に対して日本人は6,000人。100人に1人が日本人なので、街を歩いていても日本人をよく見かけます。ちなみにボンは人口30万人に対して日本人は300人。1日街を歩いても日本人に合わない日の方が多いので、デュッセルドルフに行くと不思議な気持ちになります。

ddoct02

街の中心にあるKönigsallee(ケーニッヒスアレー)には、有名ブランド店やカフェが立ち並び、美しい景観とあわせて「ドイツの小パリ」とも呼ばれています。

ケーニッヒスアレー以外の通りにもたくさんのファッションに関するお店があるので、ショッピング目当てで訪れる観光客も多いそうです。

日本人が多く住むImmermannstraße(インマーマンシュトラッセ)は美味しい日本食が食べられることで有名。なじみ深い日本食が食べられるインマーマンシュトラッセは、慣れないドイツ料理に疲れた胃にとって強い味方です。

デュッセルドルフにはデュッセルドルフ国際空港があり、昨年から成田-デュッセルドルフ間の直行便も就航になりました。治安も比較的よく、ミュンヘンのオクトーバーフェストに比べると落ち着いているので(それでも日本のオクトーバーフェストとはかなり異なりますが)、「いきなりあの大規模なオクトーバーフェストに行くのは心配」という人は、デュッセルドルフのオクトーバーフェストから試してみてはいかがでしょうか。


デュッセルドルフのオクトーバーフェストの会場

デュッセルドルフのオクトーバーフェストの会場

デュッセルドルフのオクトーバーフェストはライン川沿いにあるDüsseldorfer Kasematten(デュッセルドルファー カゼマッテン) で行います。川沿いの散歩道で、オクトーバーフェスト以外にも花火大会や日本デーなど、たくさんのイベントが開催される市民の憩いの広場です。

デュッセルドルフ空港からデュッセルドルフ中央駅まではSバーン(近郊列車)やRE(ローカル快速列車)に乗って約10分で到着します。デュッセルドルフ中央駅からデュッセルドルファー カゼマッテンの最寄駅Heinrich-Heine-Allee(ハインリッヒ・ハイネ・アレー)までは地下鉄で4駅、3~4分程度です。

地下鉄を降り、地上に上がると旧市街。川へ向かう通りにはたくさんのレストランやバーが並んでいるので、ついつい混ざってビールが飲みたくなります。中央駅からカゼマッテンまで徒歩でも20~30分程度、景色も良く見るところも多いので、わたしはいつも歩いて会場まで向かいます。

デュッセルドルフ「オクトーバーフェスト」の雰囲気

オクトーバーフェスト会場のカゼマッテンの通りにはずらりとお店が立ち並びます。元々カゼマッテンにあるお店が出店しているところもあれば、オクトーバフェスト期間中だけのお店もあり、どのお店に入ろうか悩んで2往復ぐらいしてしまいました。

ddoct04

基本的にはどのお店でもオクトーバーフェストビア、ミュンヘンビール、デュッセルドルフの地ビールが置いてあるので、お店の混み具合や料理の好みで選ぶのがよいのではと思います。

オクトーバーフェストは観光客が多いので、英語表記はもちろん、料理の写真が載っているメニューもありました。日本ではよくあるメニューですが、ドイツで料理の写真が載っているメニューはとても珍しいです。お店と道路を区切っている柵に貼っているところもあります。

ddoct05

まずは1軒目。普段は観光船を運営している会社がやっているお店に入りました。この看板のお向かいにある店です。中の雰囲気はこんな感じ。

ddoct06

上から見るとこんな感じです。

ddoct07

本場ミュンヘンはビール会社が設置した大テントの中でビールを飲むのでかなり騒がしいのですが、デュッセルドルフは川沿いの開けた会場なのでわりと落ち着いています。

店内にはミュンヘン風の長テーブルと、4人掛けテーブルがありました。先に長テーブルに人が座っているときには「空いてますか?」と聞くこともありますが、席を一つ以上隔てているならば隣席の人に確認せずに座ってしまっても構いません。

オクトーバーフェストに限らず、ビアガーデンや他の祭りでもそんな感じです。

ドイツの屋内レストランは禁煙ですが、屋外はすべて喫煙可能です。ドイツは喫煙者が多いので、長テーブルだとかなりの確率で煙草を吸っている人と隣り合うか、背中合わせになります。煙草や雰囲気など、気になるようなら4人掛けテーブルの方がいいかもしれません。

このお店の店員さんは観光船会社の人なのか、人当たりもよくとても丁寧でした。オクトーバーフェストは期間中だけのアルバイトの人も多いので、ものすごく無愛想だったり、目が合っても注文を取りに来てくれなかったりということもありますが、外国人に対してだけではなく誰に対してもそんな感じなので、嫌な態度を取られてもあまり気に病まないでください。


お待ちかね、オクトーバーフェストビア

ddoct08

さてお待ちかねのオクトーバーフェストビアです。
オクトーバーフェストビアはミュンヘン地方の醸造所がオクトーバーフェストのために作ったビールの総称なので、各醸造所ごとにオリジナルのオクトーバーフェストビアがあります。普通のビールがアルコール度数4~5パーセントなのに対し、オクトーバーフェストビアは6~8パーセントとかなりきつめ。日ごろビールを飲みなれているドイツ人がオクトーバーフェストではよく酔いつぶれています。

このお店のビールはLöwenbräu(レーベンブロイ)。ミュンヘンの6大醸造所のうちの一つです。低温でじっくり発酵させる下面発酵で、冬でも醸造できるのが特徴だそうですが、オクトーバーフェストビアは夏に醸造するので、わざわざ冷蔵庫に入れて発酵させるのだとか。

Löwenbräu(獅子のビール)という名前のとおり、色はライオンの毛並みを思わせる美しい黄金色、キレのある喉越しとまろやかなコクですっきりとしたビールです。アルコール度数が高いので、ウイスキーやバーボンのような蒸留酒っぽい香りがします。

この写真はたまたまオクトーバーフェストビアのジョッキですが、普通のレーベンブロイのジョッキもありますし、数が足りなくなると隣から借りてきた別銘柄のジョッキを出されることもあります。おおらかです。

オクトーバーフェストビアといえば1リットルジョッキ、Maß(マス)が名物なので頼もうとしたのですが、「いまはない」と言われて頼めませんでした。最終日に行ったのでビールの残量が怪しいからなのかなんなのか。理由は分かりませんが、他の店もあるからいいかと、ここでは500ミリットルの通常ジョッキを選びました。これでも日本なら大ジョッキですね。

おつまみはミュンヘン名物からチョイス

ddoct09

おつまみはオクトーバーフェストと言ったらやっぱりこれ、ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)とプレッツェルです。もう一品はドイツ祭りの定番ハルプヘェンヒェン(鶏の丸焼き半分)とプレッツェルのセット。

ddoct10

正直、出店の食べ物なのでそれほど美味しくもないのですが、その分お値段も通常のレストランが12~4ユーロするところ、半額の7ユーロ前後と安いです。本命はオクトーバーフェストビアなので、鶏が焼きすぎてかさかさだけどまあいいやと思いながら食べました。

日本でもお祭りになったらほとんど肉の入ってない焼きそばや焼きすぎて固いお好み焼きを食べたくなりますよね。なんで祭りの食べ物はああも美味しいのでしょうか。


ひとまずお会計は27ユーロ、4千円弱

お会計はオクトーバーフェストビア2杯(1杯4.9ユーロ)、おつまみ2品で合計24ユーロ。オクトーバーフェストでは手間がかかるからか、しばしばセント単位の端数を切り捨てたり、切り上げたりされます。ここも本当は24.6ユーロなので、端数はサービスしてくれたようです。しかしそれでは申し訳ないのでチップ分を足して27ユーロ支払いました。

他のお店ではビール2杯9.2ユーロのところ、問答無用で10ユーロと言われたこともあります。チップ込みということで、そこでは10ユーロだけ支払いました。レシートもないので、聞き取りが不安ならば紙ナプキンなどに書いてもらった方がいいかもしれません。

2軒目でMaß(マス)を飲む

ddoct12

1軒目では1リットルジョッキ、Maß(マス)でビールが飲めなかったのでリベンジすべく、そのまま隣にある店に移りました。大きな樽のお品書きが目印、DJがいるミュージックブースがあり、常に音楽が流れています。このせいで夜はひどいことになるのですが、その話はまたのちほど。

もうおつまみは食べられないので、いきなりビールです。写真は1リットルジョッキとハーフサイズのジョッキ(おそらく隣の店から借りたもの)。とにかく大きい!分かりにくいので、iPhoneと並べて写真を撮ってみました。iPhone4Sですが、6Sでもあまり変わらないと思います。

ddoct13

このお店のビールはKönig ludwig(ケーニッヒ・ルードヴィッヒ)。元々、オクトーバーフェストはバイエルン王国の王太子ルートヴィヒの婚礼を祝うために始められましたが、この王家の子孫が醸造しているのがケーニッヒ・ルードヴィッヒ(「ルードヴィッヒ王」とか「ルードヴィッヒ王家」というような意味)なのだそうです。

いまもカステンベルク城というお城の中で醸造しています。ミュンヘンの6大醸造所ではなく、中規模程度のブルワリーです。ちなみにミュンヘンの6大醸造所はSpaten(シュパーテン)、Hofbräu(ホフブロイ)、Löwenbräu(レーベンブロイ)、Augustiner(アウグスティーナ)、Hacker Pschorr(ハッカープショール)、Paulaner(パウラナー)の6つ。

ケーニッヒ・ルードヴィッヒはレーベンブロイに比べると透明度が高く、少し色が薄いです。飲んでみるとかなり強めの炭酸が舌で弾けます。甘みは薄く、ガツンとくる苦味と喉越しが特徴的で、暑い日にはぐいぐい飲めそうです。

しかしいかんせんジョッキが重い。ジョッキだけで1キロはありそうなので、ビールが入った状態だと2キロ以上あります。ジョッキの持ち手も太いので、女性の手では握りにくく、両手で持ちながら飲みました。ミュンヘンのオクトーバーフェストではほとんどの人がマスで飲んでいますが、デュッセルドルフではほとんどの人がハーフサイズで飲んでいます。懸命な判断です。

Maß(マス)のお会計

2軒目は1リットルジョッキ、マス1杯9.2ユーロとハーフサイズ1杯4.6ユーロで計13.8ユーロ。チップと合わせて15ユーロ、2000円程度支払いました。

もう一つのオクトーバーフェスト名物

オクトーバーフェストのもう一つの名物は音楽です。ミュンヘンではステージが設置され、生バンドが音楽を演奏します。気分が良くなれば合わせて歌ってもいいし、踊ってもいい。たまにバンドと関係なく歌っている人もいます。とても自由なお祭りです。

テント内はかなり騒がしいので、それが苦手でオクトーバーフェストには行かないというドイツ人もいます。わたしは15年以上前、まだ通貨がマルクだったころに観光で行きましたが、当時はオクトーバーフェストに行く日本人も少なかったので目立ってしまい、「一緒に踊ろう!」と言われてなかなか大変な目に合いました。

最初の方でお話ししましたが、オクトーバーフェストビアはアルコール度数が高いので、踊っているうちに酔いが回りへろへろになるのです。恐ろしい。そしてそれは日本人だけではなくドイツ人も同じ。デュッセルドルフでは生バンドはありませんが、DJが常に音楽を流しているので、やはり歌ったり踊ったりします。昼は客の年齢層も高く、ファミリーが多いので落ち着いていますが、夜の部はもう大変です。

ddoct14

写真は夜の部の様子ですが、お分かりいただけますでしょうか。半数が立ち上がったり踊ったりしています。ドイツ人にしては珍しく、テーブルに突っ伏して寝ている人もいました。椅子に登って踊っている人もいて、日本人の感覚だとビアホールというよりはクラブのノリです。騒がしい雰囲気が苦手な人は昼だけ訪れた方がいいでしょう。


オクトーバーフェストを安全に楽しむために

オクトーバーフェストは楽しいところですが、人が大勢集まるので危険な場所でもあります。外見が異なる日本人は良いターゲットになってしまうので、訪れる場合には十分注意しましょう。

スリが多いので、わたしはカバンを持たず財布と携帯だけを上着の内ポケットに入れるようにしています。お店の外で瓶ビールを飲む人も多く、あちこちで空き瓶が割れているので運動靴を履いていきます。素足が出るサンダルやヒールのある靴は止めた方がいいでしょう。

とはいえ、昼間にビールを飲む分にはそれほど危険は多くありません。青空の下、ライン川を眺めながら飲むビールは最高です。十分に準備した上で、のんびり楽しんでくださいね。

もう少し落ち着いてオクトーバーフェストビアを飲みたいという人のために、別記事でレストランで楽しむオクトーバーフェストビアについてお伝えします。


せっかくなのでデュッセルドルフの地ビール「アルトビア」

デュッセルドルフの地ビール「アルトビア」

ドイツにはそれぞれの地方に地ビールというか、地元の醸造所が作っているクラフトビアがあるのですが、デュッセルドルフにもあります。デュッセルドルフの地ビールはアルトビアです。写真は日本食レストランで飲んだ物。

アルトビアは上面発酵、ラガービールよりも古い製法という意味で「Altbeer(古いビール)」と呼ばれています。深煎りしたモルトの濃い色と香ばしい薫りが特徴的。鼻に抜ける薫りはとても良いコーヒーのようにアロマティックです。口に含んだ瞬間は甘く、しかし喉を通るにつれて苦味が後を追ってきます。

ボンとデュッセルドルフは電車で1時間ほど。日本でいえば神戸と京都、もしくは大宮と新宿ぐらいのイメージですが、ボンにはアルトビアは売っていません。「地ビールはその土地で飲んでこそ美味い」という考えが強くあるので、同じドイツ国内でも他の地方のビールは手に入りにくいのです。

もしデュッセルドルフのオクトーバーフェストに来る機会があったなら、ぜひ一緒にアルトビアも楽しんでみてください。来年のオクトーバーフェストは2016年9月17日から10月2日の予定です。


デュッセルドルフのオクトーバーフェストの基本情報

名前:Kasematten Oktoberfest
住所:Kasematten Düsseldorf, Untere Rheinwerft, 40213 Düsseldorf
営業時間:2015年9月19日~10月4日、9時から24時まで営業、入場無料
公式サイト:http://www.duesseldorfer-altstadt.com/kasematten-oktoberfest-2015-136342
Facebook: https://www.facebook.com/kasematten

kamatsu

スポンサードリンク

このページの先頭へ