シャンディガフのレシピと作り方。どんなビールを使えばいい?
シャンディガフは、ビアカクテルの代表的なカクテルでありながら、ビールとジンジャーエールさえあれば簡単に作ることができる気軽度が高いカクテルでもあります。
自分好みのシャンディガフを作るコツをご紹介します。
実は不明?シャンディガフの歴史
カクテルの中には由来が不明なものがたくさんあります。
シャンディガフもそのひとつで、イギリスで生まれたカクテルと言われていますが、名前の由来や生まれたエピソードなどはわかっていません。
イギリスには「ジンジャービア」という糖分とジンジャーで作られる発酵飲料がありました。
ジンジャービアはジンジャーエールの元になった飲み物とも言われていて、ジンジャーエールとジンジャービアの違いは、アルコールを含んでいるかいないかというところ。(ジンジャービアはアルコールを含んでいます)
憶測ですが、もともとジンジャービアという名前の飲み物があったことから、ビールとジンジャーエールを合わせてみたらおいしかったという流れだったのかな?
使用するビールとジンジャーエールの組み合わせによって、多様な味わいのシャンディガフを作ることができますので、まずは材料を用意しましょう!
自分好みのシャンディガフを作るポイント
シンプルなカクテルだけにビールとジンジャーエールの割合で風味は大きく変わります。
スタンダードな割合は1対1ですが、ビール独特の風味が苦手な方や、甘いカクテルがお好きな方はジンジャーエールの割合を増やしても大丈夫。
そして、どのジンジャーエールを使うのか、どのビールを使うのかというところもポイントになります。
シャンディガフのジンジャーエール
手に入りやすい銘柄は「カナダドライ ジンジャーエール」「ウィルキンソン ジンジャエール」ではないでしょうか。
ジンジャーエールは手作りすることもできますが、まずは手に入りやすい銘柄のものを使えば良いと思います。
風味の特徴としては
・カナダドライ ジンジャーエール
軽くサッパリした味わい。ガブガブ飲める系。透明度の高い黄金色が明るい。
・ウィルキンソン ジンジャエール
炭酸、風味ともにしっかり重め。辛口。アンバー。
ウィルキンソンには「ドライジンジャエール」もあります。こちらは全体的に軽めに仕上がっていて「ウィルキンソン ジンジャエール」よりも口当たりが軽く、カナダドライジンジャーエールに似ています。
シャンディガフに使うビール
・イギリス発祥なんだからエールにこだわらないと!
・いやいや、黒ビールのスタウトでしょ!
・伝統的なレシピはオールドエールだよ!
などなど、シャンディガフに使用するビールについては、本当にいろんな意見があります。
いつも飲んでいるお好みのビールで作るのもアリですが、せっかくですからイギリス発祥のエールを使ってみてはいかがでしょうか?
手に入りやすいイギリスのエール・ビールは「バス・ペールエール」です。
夏にふさわしくアルコール度数も抑えて軽めに仕上げたいならマイルドエールスタイルのビールも良さそうです。マイルドエールはちょっと手に入りにくいかもしれませんが、ガブガブ飲めるシャンデイガフを作ることができます。
グラスは冷やしておくべき?
シャンディガフには氷を入れないので、グラスの中の液体温度はみるみるうちに上がってきます。
常温のグラスの温度って、何度くらいだと思います?
もちろん、室温にも影響されるのですが、夏場だと27度から30度にもなることがあります。
冷たいカクテルをおいしくいただきたいなら、グラスも冷やしておいた方が良さそうですね。
■グラスを氷で直接冷やす方法
グラスに氷だけを入れてステアしてグラスを急速に冷やす方法もあります。
簡単にやり方をご紹介します。
この状態でしっかりとステアします。
グラス表面に霜がついたらOKです。グラスの底に水が溜まり、氷が1cm浮いてるくらいが目安になります。
基本的なことをいろいろご紹介しましたが、あまり難しく考えずに自分がおいしい!と思えるシャンディガフを目指して作ってみましょう!
シャンディガフの材料を用意してみました
今回用意したジンジャーエールはウィルキンソンジンジャエール辛口です。
このジンジャエールはちょっと舌がピリッとするくらい生姜の風味というか刺激がけっこう強めで、飲みごたえのあるシャンディガフを作ることができます。
ビールはバス・ペールエールを用意してみました。
さっそく作ってみましょう!
シャンディガフを作ってみます!
1.冷やしたグラスにビールを注ぎます。目安はグラスの半分くらい。
2.ジンジャエールを注ぎます。
3.炭酸がなくならないように、軽くステアしたらできあがり!
ウィルキンソンジンジャエール+バスペールエール シャンディガフのレビュー
ウィルキンソンジンジャエールの特徴である絡みつくような甘さ、ジンジャーの刺激、そしてバスペールエールの適度な苦味の3つがバランス良し。
ウィルキンソンジンジャエールを使うなら、ビール好きさんはビール7:ジンジャーエール3くらいの方が甘さ控えめになってビールの風味が立つのでおいしく感じると思います。
氷が入っていないのでだんだんぬるくなってくるのですが、まだ冷蔵庫がなかった時代のエール・ビールとジンジャーエールはそこまで冷たくなかったはずですよね。実際、エールスタイルの適温は13度程度と常温に近い温度ですし。
と思って、ぬるいシャンディガフを試しに飲んでみたらこれがかなりおいしい!
キンキンしていたジンジャーの刺激と炭酸が少し落ち着いて、バスペールエールのコクがよくわかります。ジンジャエールの甘さが深みに変わりました。
冷蔵庫がなかった時代のシャンディガフは、この常温のシャンディガフをもっとワイルドにしたようなものだったのでは?と勝手に想像しました。
※この味わい方ができるのはエールを使っているからだと思います。ピルスナー(スーパードライや一番搾りなどの日本を代表するビールはスピルナーです)を使ったシャンディガフは冷たいうちに飲みきることをオススメします。
シャンディガフの出来上がりの色もイメージして
このシャンディガフ、お店でいただくものよりも色が濃いと思いませんか?
バスペールエールもウィルキンソンジンジャエールもどちらかというとブラウン系の色なので、シャンディガフもこんな色になりました。
もっと明るい黄金色でシュワシュワの泡が爽やかなシャンディガフを作りたいなら、ピルスナースタイルのビール+カナダドライなど、明るい材料を組みあわせてみてください。
「軽くステア」って何回まぜればいいの?
ステアは直訳すると「撹拌」ですが、ステアの目的は液体を均等に混ぜるためだけではなく、グラスの中身をしっかり冷やすためでもあります。
シャンディガフのようにグラスの中に材料を直接入れて作る「ビルド」でよく使われる技法です。
しかし、炭酸を含んだ液体の場合混ぜすぎると気が抜けてしまい、味わいが半減しますし、氷が使ってあるカクテルをステアしすぎると水っぽくなってしまいます。
カクテルレシピにも「軽くステアする」とよく書かれていますが、バースプーンを実際に何回くらい動かせば「軽くステア」になるのでしょうか。
なんと、その疑問をサントリーが簡単に解いてくれました。
http://www.suntory.co.jp/wnb/dictionary/technique/index.html
このページのいちばん上に「ビルド(Build)」の具体的なやり方が掲載されています。
そして、ビルドの動画の中でバースプーンを使って行われているステア、これこそが「軽くステア」です!
なんてわかりやすい(笑)
シャンディガフは難しいこと抜きに楽しみたいカクテル
シャンディガフは、飲めば飲むほど難しいこと抜きなカクテルに思えてきます。背伸びしないで飲める庶民派カクテル。
シャンディガフが生まれた当時のアイルランドでも、肉体労働者が仕事終わりに喉をうるおすための飲み物として飲んでいたのだとか。
もちろん、カウンターでチビチビ・・・ではなく、ジョッキをさらに大きくしたような容器でガーッと一気飲みです!
ビールとジンジャーエールだけで作ることができるシャンディガフは、飲む人に合わせていろんな楽しみ方ができます。ぜひご自宅でもお試しくださいね!