シュナイダー・ヴァイセ(Schneider Weisse)の口コミ・評価
6代続くバイエルン伝統と挑戦の味、シュナイダー・ヴァイセ(Schneider Weisse)の香りや味、このビールに合いそうなおつまみなど、飲んだ感想を記載しています。
シュナイダー・ヴァイセ(Schneider Weisse)の基本情報
醸造所名:G.シュナイダー・ウント・ゾーン株式会社(G.Schneider & Sohn GmbH)
原産国:ドイツ
アルコール度数:5.4%
原材料:小麦、大麦、ホップ、酵母
ビールスタイル:ヴァイツェンビア
内容量:500ml
カロリー:記載なし
参考価格:1.03ユーロ(日本円で125円程度)
シュナイダー・ヴァイセの味や風味
<外観>
かなり暗く濁ったブラウンです。泡はややベージュがかってます。ヴァイツェンビアらしく、こんもりとしたシルキーな泡立ちです。静かに注いでも泡が立ってしまうので、なるべくグラスの奥に瓶を突っ込んで、置いていくように注ぎ、泡が落ち着いてから最後に注ぎ足すといい感じに注げます。瓶の最後の最後まで注ぎ切るようにしてください。
<飲む前の香り>
スパイシーなハーブ香がします。少し唐辛子に似たようなピリっとした感じです。同じヴァイツェンビアのフランチスカナーのようなバナナ香は弱いです。
<飲んだ時の香り>
口に含むだけでスパイシーなハーブ香が広がります。青いホップ香というよりも、熟成して発酵したハーブ茶葉のような香りですね。少しピリ辛なので、エキゾチックな感じです。飲み下すときに、甘い小麦の香りがふんわりしてきます。
<シュナイダー・ヴァイセの味>
最初の一口目ではやや酸味を感じます。スパイシーなハーブ香で燻製のような味がするのかなと思っていたのですが、酸味のおかげですっきりしています。甘みも控えめ。冷やして飲むとほどよい炭酸で、喉越しもよく飲みやすいです。甘めなヴァイツェンが苦手だけど、ピルスナーはあっさりしすぎてて物足りないという人にあっていると思います。
炭酸は中ぐらい。ボトルにも書いてありますが、8~12度ぐらいに冷やして飲むとちょうどいい喉越しで美味しいです。豊かな風味やほのかな甘みはヴァイツェンビアならでは。アルコール度数も5.4パーセントとヴァイツェンビアとして標準です。ピルスナーは4.8パーセントなので、日ごろ日本のビールを飲み慣れている人には少し強く感じるかもしれません。
<シュナイダー・ヴァイセの飲みやすさ>
甘さ控えめで、飲みやすいヴァイツェンビアだと思います。こってりしたヴァイツェンビアをあっさりした喉越しのピルスナーのいいとこどりって感じです。
こってりしたヴァイツェンビアは寒く湿度の低いドイツで飲むにはいいのですが、気温が高く湿気の多い日本だと少ししつこく感じることがあるので、シュナイダー・ヴァイセは日本向きだと思いました。8~12度ぐらいなので、冷蔵庫で2時間程度冷やすといいでしょう。
<シュナイダー・ヴァイセに合いそうな料理>
ややスパイシーなハーブ香がするので、それに負けないような料理がよさそうです。ドイツ料理だとミュンヘン名物のヴァイスヴルストにハニーマスタード、粗びきの塩をまぶしたプレッツェルが定番ですね。日本だと甘辛い手羽先の唐揚げや豚の生姜焼きなんか美味しそうです。
★★★★☆(星4つ)
シュナイダー・ヴァイセのレビュー
ボトルを見ると「TAP7」と書いてあります。ん?7? 調べてみるとシュナイダー・ヴァイセのラインナップはTAP1~7までともう3種類あることが分かりました。
充実のラインナップ 伝統のビールから挑戦的なビールまで
ドイツ語公式サイトによるとラインナップはこちら。
・TAP2 Mein Kristall(ヴァイツェン・クリスタル:1990年から)
・TAP3 Mein Alkoholfrei(アルコールフリー:2002年から)
・TAP4 Meine Festweisse(フェストビア:1916年から)
・TAP5 Meine Hopfenweisse(白ビール・ドッペルボック:2008年から)
・TAP6 Mein Aventinus(濃色白ビール・ドッペルボック:1907年から)
・TAP7 Mein Original(オリジナル白ビール:1872年から)
・TAP11 Meine leichte Weisse(ライヒテ・ヴァイス:1986年から)
・TAPX Marie’s Rendezvous(マリアズ・ランデブー:2016年から)
・Aventinus Eisbock(アベンティヌス・アイスボック:2002年から)
ざっと見ると分かりにくいのですが、発売年に注目してご覧ください。TAP6、7がダントツで古く、TAP4がやや遅れて1916年、それ以外は1980年代以降と比較的新しく開発されたビールだということが分かります。
昔はTAP6、7については「Mein(わたしの)」ではなく「Unser(わたしたちの)」という頭がついていました。これは創業者であるゲオルク1世のレシピを使っているという意味だったそうです。いつから「Mein(わたしの)」に変わったのかさだかではないのですが、おそらく創業当初のレシピを変更したのでしょう。
しかしドイツ語公式ページではいまでも「TAP7 Mein Original」がメインで表示されますし、重きを置かれていることは間違いないようです。
日本で手に入りやすい「TAP7 Mein Original」と「TAP6 Mein Aventinus」
日本で手に入りやすいのはメインとして取り扱われる「TAP7 Mein Original」と「TAP6 Mein Aventinus」。「TAP6 Mein Aventinus」はアルコール度数8パーセント以上というドッペルボックの中でも昔の製法を取っているので、かなりの飲みごたえです。
力強いボディは日本だけでなく、もちろんドイツでもファンが多く、虜にしています。強い燻製香だけでなく甘みもあるので、なんとデザートに合わせて飲むといいのだとか。デザートにドッペルボック。さすがドイツですね。
はるか創業者夫婦に敬意を表して「TAPX Marie’s Rendezvous」
「TAPX Marie’s Rendezvous」は2016年に発売を開始したビールですが、モチーフは創業者夫婦にあるのだそうです。シュナイダー・ヴァイセは社名「G.シュナイダー・ウント・ゾーン株式会社」=「G.シュナイダーと息子の会社」というように、初代から家族経営を行っています。ちなみに初代「ゲオルク」という名前は6代目になる現在まで受け継がれているのだとか。すごいですね。
「TAPX Marie’s Rendezvous」は創業者の妻であるマリアに捧げるビールで、蜂蜜色のブロンドが示すように豊かなボディ、滋味のある果実味、スパイシー香を惜しみなく使った贅沢なビールなのだそうです。お祝い料理やデザートなど、華やかな場に合わせることを想定してます。アルコール度数はなんと10パーセント! たしかに特別な日だけに止めておく方がよさそうです。
G.シュナイダー・ウント・ゾーン醸造所(G.シュナイダー・ウント・ゾーン・ブラウライ)について
先ほど少しお話しましたが、G.シュナイダー・ウント・ゾーン醸造所は6代続く家族経営の会社です。ドイツのビール会社には長く続くところは少なくありませんが、6代はかなり古く歴史のある醸造所だと言えるでしょう。
シュナイダー・ヴァイセの歴史は200年前にさかのぼります。バイエルン地方では「ビールは水・ホップ・大麦で作ること」というビール純粋令があったので、小麦を使ったヴァイツェンビールの醸造は王室や一部の教会でしか認めらていませんでした。
しかし1872年、当時のバイエルン王ルートヴィヒⅡ世は売上高の減少を理由にヴァイツェンビアの醸造を中止。そしてシュナイダー・ヴァイセの初代ゲオルクに醸造の権利を売却してしまいます。
バイエルン王によるヴァイツェンビアの醸造はさらに200年さかのぼり、1600年ごろから始まっているので、シュナイダー・ヴァイセは自社だけでなく、400年以上のヴァイツェンビアの歴史を受け継いだとも言えるでしょう。
しかし伝統あるレシピだけでなく、2016年にも新しいビールを発表するなど、伝統を守りつつもチャレンジを続けている挑戦的な醸造所です。今後もどんなビールが生まれるのかとても楽しみですね。