大阪市 Marca Cafe & Beer Factoryレポート
大阪・堀江の片隅にちょこんと佇むMarca Cafe & Beer Factoryさんへ。こちらは大阪でも珍しいブルワリーバースタイルのお店です。ブルワリーバーとは、ビールの醸造所が運営しているバーのこと。
大阪市内で、しかも堀江のようなお洒落なエリアで、ビールの醸造って!?と、意外性たっぷりですよね。お洒落の町・堀江に相応しく、Marcaさんは外観もとてもスタイリッシュで、モダンな雰囲気です。
Marca Cafe & Beer Factory の店内
Marca Cafe & Beer Factoryの店内のデザインは全てオーナーが手掛けられたとのこと。白を基調としたシンプルな作りで、白とステンレスのシルバーがまるでクリーンな研究所のような雰囲気さえ漂わせています。
奥に見えるのは大きなステンレス製の樽。Marcaさんのビールはこちらで全て醸造されています。こんなにコンパクトなスペースで醸造できるだなんて、びっくりですね。写真の手前右側に少し見えているのは8タップつなげられるステンレスのサーバー。
Marca Cafe & Beer Factoryさんのサーバーは職人気質的な雰囲気が漂う、男前なサーバーです。友人で化学を研究している女性が常々「料理は化学」だと言っているのですが、Marcaさんの店内を見ていると、おいしいお酒やお料理は材料と材料の化学変化の結晶なんだなあとしみじみと実感します。
平日の夜20時前後、この日のお客さんは私たち以外皆さん常連のおひとり様。やはりクラフトビアバーということが珍しいためか、お客様のほとんどはおひとり様の男性なのだそう。確かに、クラフトビール好きにはこういうスタイルのお店はとっても嬉しいですよね。
けれど、すっきりおしゃれな「マルカ カフェ アンド ビアファクトリー」さんの雰囲気は女性にもとっても受けそうです。おひとり様のお客様も多くカウンター席しかないため、比較的静かな店内では、しっぽりとまったりとおいしいビールを味わうことができそうです。
この日はオーナーの女性がお店に立たれており、常連のお客さんたちと作られたビールについて熱心に語っておられました。女性がオーナーというところも、とても意外ですよね。
ビールの醸造だなんて、渋いオジサマがオーナーをされているような先入観があったのですが、なんと若い女性。以前は自動車のスタイリングデザインのお仕事をされており、2015年春に醸造許可がおり、オープンしたばかりのまだまだ新しいフレッシュなお店です。お店のデザインから、運営から、醸造までこなされるパワフルなオーナー。これからの活躍も期待できそうです!
席に着くと、シマウマさんが出迎えてくれました。
この日はMarcaのビール4種類とゲストビール2種類がありました。ゲストビールは日によっても変わっているようですが、本日はIse Kadoya BreweryのImperial Red Ale(アルコール度数6.0%)とMinami Shinshu BeerのApple Hop -Shinano Sweet-(アルコール度数6.5%)がありました。
残念ながらインペリアル・レッドエールは売り切れていたので、気になるビールが入荷しているときは早めに試してみたほうが良さそうです。
MarcaのビールはSMLの3つのサイズ、それぞれ
・S(150ml/450円)
・M(HALF PINT 250ml/650円)
・L(UK PINT 500ml/1,100円)
から。
ゲストビールも、
・S(150ml/650円)
・M(HALF PINT 250ml/850円)
・L(UK PINT 500ml/1,300円)
から、楽しむことができます。
Marca製ビールが安いのは、ブリュワリーバーならでは。おいしいビールが安く飲めるのはうれしい限りですね。この日はMarcaさんのビールを楽しんだ私たちですが、ゲストビールもとっても気になりました。
伊勢角屋麦酒のインペリアル・レッドエールは、「伊勢」で「インペリアル」と、名前からしてとっても気になるレッドエールです。日本のクラフトビールであまり見かけないレッドエールというところも気になるポイントですよね。
また、南信州ビールのアップルホップは名前の通り、南信州産のりんごを絞った発泡酒です。リンゴとホップの組み合わせは想像しただけでフルーティーな香りが鼻孔をくすぐるようです。ご自身がビールを作られているだけに、他社クラフトビールのセレクトもなかなか興味をそそられます。
最初のビールは Black IPA アルコール度数6.3% 150ml 450円
まずは、乾杯の一杯!
Marca初訪問のわたしは、
Black IPA アルコール度数6.3% 150ml 450円
ブラックIPAは香ばしくローストされたモルトと、軽やかなホップフレーバーが調和したビールです。ビールの色は真っ黒ではなく、深みがある黒色です。
もともとビールは苦手なわたしですが、ブラックIPAって本当に飲みやすいんですよね。その色、その独特の香りがビールが苦手な方からは嫌厭(けんえん)されてしまいがちなブラックビールですが、ビールが苦手な方にこそ飲んでいただきたいビールだと感じます。こちらのビールではIPAのフルーティーな味わい、香ばしくローストされたモルトの香り、そしてホップの苦みを味わうことができますよ。
オーナーはこだわりを持ってビール造りに取り組んでおられるだけに、ビールに使われる原材料もカナダ産の麦芽とアメリカ産、オーストラリア産、ドイツ産、チェコ産やイギリス産などのホップをそれぞれたっぷり使用して醸造されています。またMarcaのビールは非熱処理・無ろ過の活きた酵母がたくさんつまったビールでもあります。そんなビールからは、どれも手作りの、いい意味で荒削りの風味を感じることができます。
大量に作って流通させているビールには絶対に出せない味わいです。どのビールも全く違う味わい、個性の強さを感じることができるのですが、どのビールにも共通しているのは、オーナーのなみなみならぬビール造りのこだわりです。一口飲めば、きっとその気概を感じることができますよ。
Galaxy Wheat Ale 5.0% HALF PINT(250ml)650円
ビール大好き・Marca Cafe & Beer Factoryも大好きな相方は、Galaxy Wheat Ale 5.0% HALF PINT(250ml)650円。
希少品種と言われる、ギャラクシーホップ。そんなオーストラリア産のギャラクシーホップをたっぷり使い、トロピカルに仕上げた、少し苦いけれど口当たりは軽いウィートエールです。
ウィートエール=小麦のビールで、その独特の口当たりの柔らかさが特徴です。薄く、きれいなイエローもさわやかですね。ギャラクシーという、なんともロマンチックな名前が冠されたこちらのビール。ちらちら輝く星のような、そしてどこか儚さを感じる瞬きのような苦みのある後味は、冬にもおいしくいただけますが、蒸し暑い都会の夏にもピッタリな一杯です。
鶏のリエット 450円
この日のお料理は、鶏のリエット 450円。
リエットやパテがあると絶対注文してしまう肉好き女子です。おいしいですよね。リエットというと豚肉を使われることが多いですが、こちらは鶏肉。Marcaさんでもリエットを発見したので、すかさず注文。
ピンクペッパーがあしらわれており、おしゃれな見た目。お味もすっきりむっちりしておいしく、もっとたくさん食べたくなります。クラッカーにたっぷりと乗せて、ぺろりと完食。ビールとも合いますね。お洒落なMarcaさんでは使われているカトラリーもとてもお洒落です。
クルミとクリームチーズのブルスケッタ 450円
キノコペーストのブルスケッタ(550円)とも迷いましたが、今回はこちらをチョイス。チーズとクルミの組み合わせは最強ですよね。チーズのほんのり癖のある香りと、クルミの歯ごたえがおいしい一品。チーズがビールの邪魔にも、ビールがチーズの邪魔にもならない、ビールとはベストマッチの一皿です。
ソーセージプレート
最近のニュースで、世界保健機関(WHO)からソーセージやハムなどの加工肉と大腸がんとの関連が発表されましたが、ドイツ国民でなくてもなんとも悲しい気持ちになりました。
こんなにおいしいものが・・・マルカ カフェ アンド ビアファクトリーのソーセージはとても薫り高く、大きく、プリンとしているとても質の良いソーセージです。やはり、ビールが本場の国で食べられているものと、ビールはとても合いますね。こんなにおいしいものを食られるなら、多少のリスクも乗り越えたいと思ってしまうかも!?
Hop-Cas Pale Ale アルコール度数5.5% 150ml 450円
わたしの2杯目は、Hop-Cas Pale Ale アルコール度数5.5% 150ml 450円。
カスケードホップと言う言葉を聞いたことがありますか?カスケードホップとは、アロマタイプのホップのことで、柑橘系を思わせるすっきりとした個性的な香りが特徴です。
このホップを使用することで、ソフトな苦味が生まれます。アメリカンタイプのエール、ポーター、スタウトやウィートビアなどに幅広く使われているホップです。そんなカスケードホップをメインに使用した、スタンダードなアメリカンペールエールがこちら。ほどよい苦さとほど良い香りで、どんなお料理にも合う、まさにお料理の相棒というべきビールです。ぐいぐい飲んでも飽きがきません!!
Belgian Blonde Ale アルコール度数7.1% HALF PINT 650円
相方の2杯目はBelgian Blonde Ale アルコール度数7.1% HALF PINT 650円。
こちらはすごく好みのテイストのビールです!軽やかなベルギースタイルのライトエールです。フルーティーさとキレの良さが合わさって、バランスの良い深い味わい特徴のビールです。
一杯飲むとすっきりした甘さとコリアンダーのスパイシーな香りが口中に広がります。アルコール度数の高さも気にならない、苦いビールが苦手な女性にも好まれる香り豊かなビールです。
本日のMarcaのビールは以上の4種類ですが、Marcaさんには、ペールエール、アメリカン・ブラウンエール、マンゴーホワイト、セゾン、ベルジャンホワイト、ウィートIPA、コーヒーアンバーなど数々のビールが醸造されています。日によっても、また季節によっても置いてあるビールが変わりますので、何度も通ってお好きな一杯を見つけるのも面白いですね。
コテージパイ 850円
日本ではあまり聞きなじみがありませんが、コテージパイはひき肉の上にマッシュポテトをのせてオーブンで焼いたイギリスの家庭料理です。みっしりと敷き詰められたマッシュポテトの下には、グリルされたあつあつのトマト風味に煮込まれたひき肉が!ポテトのまったり感とひき肉の甘辛い味はすっきりと苦みのきいたビールによく合います。
そういえば、イギリスもビールが有名なお国柄。やはり、ビールにも合う料理が生まれやすいのでしょうか。
また、この写真では少し分かりづらいですが、こちらのパイはなかなか大きいサイズなので、注文する時はお腹に余裕がある時にしましょう。
中はこんな風になっています!
お会計
お会計は4,100円でした。ごちそうさまでした!
Marca Cafe & Beer Factoryのお料理はどれも、ビールに合うようにしっかりした味付けです。お料理は全ておいしいのですが、食事をメインに楽しむには少し量も品数も少ないので、2軒目使いやちょい飲み使いがおススメです。
ジャイアントコーン(350円)やミックスナッツ(450円)など、Marcaさんにはおつまみ系のメニューがたくさんそろっていますよ。甘いものはなく、塩見がしっかりと効いていてMarcaさんのビールに合うおつまみが充実しています。
Marcaさんのような、作り手と、そのビールを飲みながら、そのビールについてのいろいろを聞きながら食事ができるお店は珍しいですし、熱い志を持って、「自分のやりたいことをやろう」とその志を貫かれるお姿は同じ女性としてもとても尊敬できました。
きっと多くの苦労もあったことと思いますが、楽しそうに、またパワフルにお話しされているオーナーからはそんな雰囲気は少しも感じられません。お仕事で、ご家庭で、少し疲れたことがあった日はこちらに来ておいしいビールをいただけば、きっとそんな悩みもちっぽけなものだと感じるはずです。
また、Marca Cafe & Beer Factoryは近所にあるクラフトビアバーの有名店Kamikazeさんとも交流があり、kamikazeさんでMarcaさんのビールが飲める日もあるのだとか。
「堀江バル」や「クラフトビアライブ」などのイベントでもMarcaさんのビールをいただける機会がありますし、他のクラフトビアバーや東京駅やスキー場にも!?出荷されているようで、関西在住ではなくても、どこかでひょっこりとMarcaさんのビールをいただく機会がありそうです。
そんな、ますますクラフトビール好きで熱くなりそうな大阪・堀江エリアですが、新進気鋭のMarca Cafe & Beer Factory(マルカ カフェ アンド ビアファクトリー)はこれからも要チェックのお店です。
Marca Cafe & Beer Factory 基本情報
電話番号:06-6710-9487
住所:大阪府大阪市西区北堀3-7-28-101
定休日:日曜日・月曜日 (年末年始等不定休もあり)
営業時間:18:00~23:00
最寄駅:
大阪市営地下鉄 千日前線、長堀鶴見緑地線/西長堀駅から徒歩5分
大阪市営地下鉄 四つ橋線/四ツ橋駅から徒歩10分
店内禁煙
FB: https://www.facebook.com/Marca-Cafe-Beer-Factory-591001931032521/