サンクトガーレン 生ホップYOKOHAMA XPA レビュー
今回レビューをお届けするビールはサンクトガーレンの「YOKOHAMA XPA」です。
ここ数年、毎年秋になると「生ホップ」を使用したビールが酒屋さんに並びますよね。
「YOKOHAMA XPA」はサンクトガーレンから通年販売しているビールですが、今日のYOKOHAMA XPAは手摘みの生ホップを使用した季節限定商品です。
いつもの「YOKOHAMA XPA」とどう違うのか、2本を飲み比べてみました。
サンクトガーレン 生ホップ「YOKOHAMA XPA」の基本情報
醸造所名:サンクトガーレン
原産国:日本 神奈川県厚木市
アルコール度数:5.7%
原材料:麦、麦芽、ホップ(山梨県北杜市産かいこがね)
ビールスタイル:IPA(アメリカン インディア ペールエール)
内容量:330ml
カロリー:記載なし
参考価格:680円
サンクトガーレン 生ホップ「YOKOHAMA XPA」の味や風味
<外観>
やや濃いめの小麦色です。アンバーに近いかもしれません。
もっと透明感があるかと思っていたのですが、想像以上に濁りがありました。
泡も真っ白ではなく少し色づいています。
細かくクリーミーな泡が長持ちします。
<飲む前の香り>
ホップが通常より4倍も使われているだけあって、柑橘類の爽やかな香りが強いです。
ピリっとくるクローブの香りもあります。
あまり複雑な香りではなくホップの香りがガツンときます。
<飲んだ時の香り>
オレンジの白いところのような苦味が最初に来ます。
そのあと、やっぱりグレープフルーツのような香りが広がっていきます。
柑橘系の香りの中に植物の瑞々しい青みも感じます。爽やかですね~!
<生ホップYOKOHAMA XPAの味>
やや強めの苦味が口の中に広がり、クローブのようなスパイスを感じました。
苦味は後味まで続きます。
全体的な風味はやや軽くライトな味わい。
<生ホップYOKOHAMA XPAの飲みやすさ>
IPAですが、すっきりした側面もあるので、苦味をクリアできれば飲みやすいビールだと思います。
といってもIPAなので、アルコール度数もやや高めの5.7%、飲みなれていない方はガツンとくる苦味に注意です。
<生ホップYOKOHAMA XPAに合いそうな料理>
あまりキャラクターが強くないというか、ホップの豊かな香りもそこまで主張せず全体的に味は優しいタイプのビールなので、一般的な食卓に上る料理なら餃子でも麻婆豆腐でも良さそう。
生ホップの新鮮さを味わいたいなら、塩&オリーブオイルのお豆腐など、アッサリしたものと一緒にどうぞ。
★★★☆☆
摘みたて生ホップ使用「YOKOHAMA XPA」のレビュー
まず摘みたて生ホップ使用のYOKOHAMA XPAです。
両者のボトルは基本同じですが、摘みたて生ホップ使用のラベルにはこのホップマークがあります。
苦味がかなりしっかりしていて後をひきます。
香りは華やかで良く言えば澄んだ味わい、あえて悪い言い方をすればペールエールにしてはコクにかけるという感じ。
だからこそ毎日飲んでも飽きの来ない食卓向けのビールと言えるかも。
葉っぱというか蔦っぽいというか植物の雰囲気を強く感じます。これが生ホップ特有の香りなのかもしれません。香りの中には苦いだけでなくスパイスやほんの少しの甘さも感じます。
好みがあるかと思いますが、この生ホップにしか出せないフレッシュで瑞々しく「搾りたてのビールです!」という雰囲気は「若い」と言って良いと思います。
生ホップのビール自体、この時期にしか生産されないとても珍しいものですが、日本で気軽に購入できるIPAの生ホップビールはさらに希少だと思うので、今しか飲めないこのビールは見かけたら通販してでも試していただきたいです!
生ホップYOKOHAMA XPAのホップは日本産
初摘みYOKOHAMA XPAに使われているホップは山梨県北杜市で手摘みされた「かいこがね」という種類です。かいこがねは生で使用するとスパイシーな香りがより一層強く感じられる品種です。
トゲを持つツルからホップをひとつひとつ収穫するのはとても手間のかかる作業で、生ホップを使ってビールを醸造できるのは1年のうちたったの数週間だけ!
生ホップビールがどれだけ貴重なビールなのかよくわかります。
通年販売「YOKOHAMA XPA」のレビュー
続きまして、通年販売のYOKOHAMA XPAです。
見た目にほとんど変わりはありませんが、まず香りが違います。
こちらの通年販売の方が、香りに甘みと深みがあります。
オレンジのような柑橘類の香りはしっかりありますが、落ち着いていてまろやか。
スパイス感もやや強く感じますが嫌味がなく、華やかな香りのアクセントになっています。
お味にも生ホップYOKOHAMA XPAではあまり感じられなかった豊かなコクがあります。
香りと苦味とコクのバランスがとても良く、素直においしいなぁ~と思います。
注ぎ方にもよりますが、泡立ちも少し違いました。
いつものYOKOHAMA XPAの方が、泡がたくましいというか生ホップほどきめ細かくは無いような気がします。
泡は注ぎ方に影響されますので、気のせいかもしれませんが・・・。
恐らく、生ホップYOKOHAMA XPAを飲んでいなければ、こちらも麦芽の甘みは少なめのホップを楽しむタイプのビールだと感じていたと思います。
麦芽の支えはしっかりとあるのですが、本当に良い意味で軽くまとまったビールです。
この感じは恐らく水が軽いのだと思います。
YOKOHAMA XPAはゴールデンウォーターと称された水を使用して作られたサンクトガーレンの代表作とも言えるビールです。そのこだわりや心意気がしっかりと感じられるこの1本は、横浜に縁がなくとも1度は味わってみたいビールです。
生ホップと通常のYOKOHAMA XPAどっちがお好み?
ここからは個人的な感想ですが、わたしは通年販売のYOKOHAMA XPAの方が好みです。
生ホップYOKOHAMA XPAは若さ溢れる新入社員!という感じで、これはこれで好感が持てるのですが、毎晩のようにビールを飲んでいる者としては、もう少し落ち着きのある方が安心します。
通常のYOKOHAMA XPAの方が、熟成期間が極端に長いというわけではないと思うのですが、苦味にも香りにも余裕があるように思います。
生ホップ使用の方がお好きな方にとっては、通常ホップのこの落ち着きを「華やかさがもっとほしい」と感じられるのかもしれません。
どちらもとても個性的でありながら完成された日本が誇るIPAなので、両方が手に入るようでしたら、ぜひ飲み比べてみてください。
ホップという植物をそのまま使うことと、加工されたホップの味わいの違いをしっかり感じられます。
濁度0.0000の驚異的な透明度を誇るヨコハマの水
「YOKOHAMA XPA」の仕込みに使われている水は、横浜市の水源にもなっている山梨県は道志川の清流水です。
この水は「はまっ子どうし The Water」という名前でペットボトルでも売られています。
都会の水っておいしいのぉ~?と思われるかもしれませんが、この水、実はものっすごく透明なんです。
はまっ子どうしの濁度は0.0000。ゼロではなく0.0000。
この数値は、採水所にある濁度計測器の限界なのだそうです。
つまりメーターの限界を超えてしまうほどキレイなお水ということ!
大航海時代に横浜から水を積んで海に出た船員たちは、赤道を越えても水が腐らないことに大絶賛し、「ゴールデンウォーター」と呼んだのだそうです。
日本の水は大航海時代から信頼されていたようです。
YOKOHAMA XPAの受賞歴
YOKOHAMA XPAは黒船でやってきたペリーが幕府に献上したと言われているビールの復刻版です。
当時もおいしいビールとして愛されたかと思いますが、現代でもそのおいしさが認められてWorld’s Best IPA 2011とWorld’s Best IPA 2013の2回ゴールドメダルを受賞しています。
世界的な賞に輝くということと、自分の口にあうというのはまた別モノではありますが、1度は味わってみたくなりますね!
初摘みホップビールの販売時期は?
2015年は9月2日(水)から販売しています。
販売終了は完売まで!
生ホップ版は特に告知することなく完売したら通常版に切り替わるのだそうです。
今なら公式販売サイトから生ホップ版を購入できますよ!
※期間限定です
初摘みホップ、生ホップのビールはおいしいの?
ホップは通常、安定して管理・長期保存するためにペレットと呼ばれる状態に加工されます。
ペレットと生ホップから作られるビールは味も香りも違いますが、生ホップだからといって必ずしもおいしいと感じるかというと、そういうわけではないかもしれません。
ビールが大好きで飲みなれている人に言わせると、「生ホップのビールは軽いというか、若い感じがする」そうです。
わたしも似たような感想を持ちました。
おそらく、生の植物から得られる香りの爽やかさや軽やかな苦味などから若いという印象なのだと思います。
収穫したての素材から作られる新酒という意味ではボージョレ・ヌーボーを思わせる雰囲気もあります。たしかに、ボージョレ・ヌーボーにも軽さがあり、早めに味わいたくなります。
しかしながら、1年のうちたったの数週間しか仕込むことができない上に、今年の分はもう作り終えていて日本中の人に飲まれるのを待つのみというこのビールは是非今味わってほしい!
今年もたくさんのホップの収穫があり、おいしいビールが飲めることを祈りつつ楽しむ初摘みホップビールには一種独特の味わい深さがあるように思います。
生ホップビールは毎年この時期にしか飲めないので、やっぱり毎年1度はお祝いとお礼の気持ちを込めて楽しみたいですね!