シュレンケルラ・ラオホ・メルツェン 口コミ・評価

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シュレンケルラ・ラオホ・メルツェン 口コミ・評価

スモーキーな香りがクセになる!シュレンケルラ・ラオホ・メルツェン(Schlenkerla Rauchbier Märzen)をご紹介します。

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シュレンケルラ・ラオホ・メルツェン(Schlenkerla Rauchbier Märzen)の基本情報

銘柄(商品名):シュレンケルラ・ラオホ・メルツェン
醸造所名:ヘラー・ブロイ・トゥルム株式会社(”Heller-Bräu” Trum GmbH)
原産国:ドイツ
アルコール度数:5.1%
原材料:水、大麦麦芽、ホップ
ビールスタイル:ラオホビール
内容量:500ml
カロリー:記載なし
参考価格:1.23ユーロ(日本円で146円程度)

 

シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンの味や風味

<外観>
シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンの外観

ものすごく濃い茶色です! 黒ビールと比べても黒い。泡立ちもなかなかよく、淡いブラウンに染まります。明かりに透かして見ても、ほとんど向こうが見えませんでした。濃密な感じがしますね~。

<飲む前の香り>
飲む前というより、注いでいる段階でスモーキーな香りがしてきます。燻製香ですね。魚の燻製とか肉の燻製というように、素材の匂いがするわけではなく、ただただ純粋な燻製の香りです。燻した木の匂いをかいでる感じに近いかもしれません。

<飲んだ時の香り>
飲む前の期待を裏切らず強い燻製香がします。すごい!最初は「こんなのビールじゃない」と思いますが、慣れてくると口に香りが残っている間にもう一口が欲しくなってきます。飲んでいるときよりも、飲み下した後に口に残る香りの方が強いです。

<シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンの味>
香りにごまかされてしまいそうになりますが、味自体は甘くコクがあります。今回飲んだのはシュレンケルラ・ラオホのメルツェンなので、メルツェンの味の影響もあるのでしょう。

昔、衛生上の問題から4月以降にはビールの醸造が許されていなかったころ、夏に飲む間のビールを3月(Märzen(メルツェン))に大量に仕込んでいたことから、メルツェンビアというビールが生まれました。

現在では3月に仕込むわけではありませんが、通常のミュンヘンラガーに比べてアルコール度数が高く、大麦の香りが強く、甘みがあるのが特徴です。すでに甘みがあるメルツェンをいぶして味を凝縮させるのですから、甘みが強くなるのも当然かもしれません。

炭酸は弱め。しばらくおいていても味に変化がないので、長い時間をかけて飲むのに適したビールです。アルコール度数は5.1パーセントとピルスナーに比べるとやや高め。ヴァイツェンビアと同じくらいです。

<シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンの飲みやすさ>
一口目のインパクトは絶大で、この独特のスモーキーな感じが受け入れられるかどうかで変わります。正直、人によるという感じです。しかし、慣れてくるとこの独特の燻製香がクセになってきます。ファンもいるけれど、苦手な人もいるので、プラスマイナスで星4つにしました。

<シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンに合いそうな料理>
料理と合わせるよりは、むしろ燻製香をつまみにビールが飲めるという感じです。あえて合わせるならばやはり燻製した料理がいいでしょう。ジャーキーや燻製したチーズなんかいいですね。日本食ならいぶりがっこ(秋田の名産品)やいぶりがっこクリームチーズ(オススメです)も美味しそうです。

<総合評価>
★★★★☆(星4つ)

 

シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンのレビュー

シュレンケルラ・ラオホ・メルツェンのレビュー

ずっと気にしたことがなく、バラのマークがついていると思っていたのですが、ラベルの右下、これって人だったんですね。シュレンケルラの公式サイトによると、昔、マイスターの一人が、事故のためかビールのせいなのかはっきりしないけれど、ぶらぶらと面白い歩き方をしていたので「Schlenkerla(シュレンケラ)」と呼ばれていたのだそうです。

ドイツ・フランケン地方の方言で「schlenkern(シュレンケルン)」は、酔っ払いのようにまっすぐ歩くことができない、という動詞で、それに「-la」という接尾辞がついて愛称になったのだとか。

その後、醸造所に併設されたビアレストランも「Schlenkerla(シュレンケラ)」と呼ばれるようになったのではと考えられているようです。いまもこのビアレストランはあり、現地ではタップビアも飲めます。さらに転じてビールそのものも「Schlenkerla(シュレンケラ)」と呼ばれるようになったとのこと。千鳥足のシュレンケラさんはよほど愛される人だったのでしょうね。

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シュレンケルラ・ラオホの「Rauch(ラオホ)」はドイツ語で「煙」という意味です。現代では主に熱風で麦芽を乾燥させますが、シュレンケルラ・ラオホは昔通りの製法をとり、ブナの木を使って麦芽を燻しているため、独特の燻製香が楽しめます。ドイツ国内でもほとんど残っていない製法で、出荷されているものとしてはシュレンケルラ・ラオホだけ。

詳しい作り方については、Juneやよいさんのレビューにも書かれているので、ぜひご覧ください。

 

シュレンケルラ・ラオホの種類について

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今回飲んだシュレンケルラ・ラオホは「メルツェン」でしたが、他にもいくつか種類があります。しかしドイツに住んで4年以上経ちますが、実際に見たことがあるのは「メルツェン」だけです。他の物はあまり出回らないので貴重!

ちなみにどんな種類があるかというと、Märzen(メルツェン)の他に、Helles Schlenkerla Lager(ヘレス・シュレンケルラ・ラガー)、Urbock(ウアボック)、Weizen(ヴァイツェン)、Kräusen(クロイゼン)、Fastenbier(ファステンビア)、Eiche(アイヒェ)の計7種類。
 

Helles Schlenkerla Lager(ヘレス・シュレンケルラ・ラガー)

ミュンヘンで作られるピルスナーのような淡色ビールのことを現地では「ヘレス」もしくは「ミュンヘンラガー」などと呼んでいます。

チェコ・ピルゼン発祥のピルスナーと似ているようですが、別々の歴史を辿って誕生したミュンヘンオリジナルのビールです。なので、ミュンヘン地方のレストランで「ピルスナーください」というとちょっと嫌な顔をされます。ヘレスはピルスナーに比べると、麦の味がしっかり感じられ、やや色が濃く、泡切れがよくなっています。

ヘレス・シュレンケルラ・ラガーはシュレンケルラ・ラオホと同じ銅釜で似て、同じ酵母を使って発酵させますが、燻製した麦芽を使わないのが特徴。少しだけスモーキーな香りのする、ちょっと珍しいミュンヘンラガーを飲むことができます。

 

Urbock(ウアボック)

Urbock(ウアボック)は、ボックビア(Bock)の一種。「Ur」(「起源の、オリジナルの、昔の」というような意味)という接頭辞がついていることから、古い製法を取っていることが分かります。普通のミュンヘンラガーに比べてアルコール度数は高め。シュレンケルラで使われているウアボックはアルコール度数6.5%なので、燻製香につられてクイクイ飲んじゃうとかなり酔ってしまいそうです。

醸造時期は10月~12月。その後、昔から使われている洞窟のような地下貯蔵庫で熟成させてから出荷します。10月最初の木曜日には、最初の生ビールを飲むためのイベント「Urbock Anstich」も開かれるのだとか。うーん、行ってみたい。

 

Weizen(ヴァイツェン)

Weizen(ヴァイツェン)は小麦ビールで、ピルスナータイプに比べて甘みが強いのが特徴。シュレンケルラ・ラオホでは、燻した大麦と燻していない小麦を使うことで、スモーキーな香りとボトル発酵ならではの甘い豊かな香りの両方が楽しめます。

 

Kräusen(クロイゼン)

すでに熟成されたビールに、発酵中で泡がぷくぷくしているような若いビールを加える伝統的な醸造技術のことを「kräusen(クロイゼンする)」というのだそうです。英語でも訳さずに、そのまま「krauseningする」というのだとか。珍しい手法なんですね。

成熟したビールに若々しい発酵中のビールが加わることで、重厚な味わいとフレッシュな香りが楽しめるとのこと。スモーキーさも軽くなるということなので、メルツェンよりもあっさりと味わえそうです。

 

Fastenbier(ファステンビア)

直訳すると「断食ビール」という感じでしょうか。ビール純粋令に基づいて作られた無濾過のビールで、酵母が残っているため、栄養価が高くなっています。ファステンビアと同じように、断食中でもパンの代わりとして飲めるように作られた「ドッペルボック」というビールがあるのですが、こちらはかなりアルコール度数が高め(7~12パーセントぐらい)。ファステンビアは5.5パーセントなので、空腹でもよさそうですね(断食中にビールを飲むのはいいのかという疑問はありますが)。

 

Eiche(アイヒェ)

ブナ(Buchenholz・ブーヒェンホルツ)ではなく、オーク(Eichenholz・アイヒェンホルツ)で燻されているので、「Eiche(アイヒェ)」という名前がついています。ドッペルボックから作られているので、アルコール度数は8パーセントと高め。クリスマスの間だけ、基本的には併設のビアレストランでしか飲めないそうです。出荷は限られたお店だけなのでかなり貴重。

Smoked Beer Brewery Schlenkerla-Smokebeer Varieties(英語)

 

ヘラー・ブロイ・トゥルム醸造所について

昔ながらの製法を守っているシュレンケルラ・ラオホですが、実はその歴史は一時途切れています。

現在醸造所が建っている土地の登記については1387年、建物については1405年の文書に名前が残されていますが、1920年代、第一次世界大戦後の景気悪化により、醸造所は閉鎖されてしまいました。シュレンケルラ以外にも多くの醸造所が閉鎖に追いやられた時代です。

しかし1926年、ビアガーデンのあった土地に新しい醸造所を作り、操業を再開。その後も地道な努力を積み重ねて「ラオホビール」というオリジナルブランドを作り上げ、唯一無二なビールとして名を挙げていくのです。特にメルツェンとウアボックの評価は高く、数々の賞を受賞しています。

Smoked Beer Brewery Schlenkerla-Awards(英語)

ビール大国ドイツでも他に類を見ない「ラオホビール」。いまではビールの一種類というだけでなく、醸造所のあるバンベルグ市の名物とまで言われるようになりました。淡色ビールのブームに乗ることも、ヴァイツェンビールの潮流に乗ることもなく、孤高の道を歩んだその歴史を訪ねて、ドイツ・バンベルグまでラオホビールを飲む旅に出かけるのも面白そうです。

kamatsu

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